さて、本題に戻りましょう。1足10万円の靴と1足1万円の靴です。
まず
価格は恣意的なものだとおわかりいただけたと思いますので、その上で、これはどこの時点での値段かということです。
新しさに価値を置いて定価で買うのか、新しさには価値を見出さないのでセールやアウトレットで買うのか、それによって靴の値段は変わりますから、どちらを選ぶかは、その人の価値観によります。
ですから、お勧めは、単純に値段で靴を選ぶのではなくて、自分にとっての優先順位を決めることです。
「10万円出しても新しさが欲しい」とか、それとも、「レアなものでどうしても欲しくて、小さい頃から夢見たもの」で「これから何年も大事にする覚悟はできている」という人なら、10万円の靴1足を選べばいいでしょう。
「新しさは要らない」、「セールで見つけたり、アウトレットに行くのをいとわない」、「外仕事なので靴は多くあったほうがいい」と言うのなら、1万円ではなくても、定価が高いものが安くなったときに買うというのがいいと思います。
要するに、値段にまどわされないということ。
そして、その靴を買うことによって得られる結果が大切です。それであなたが100%能力を発揮できて、夢がかなうのなら、10万円の靴を1足買ってもいいということですし、1万円を10足あるほうがより自分の夢に近付くと言うのなら、そちらを選べばよいでしょう。
<TEXT/小林直子>
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【小林直子】
ファッション・ブロガー。津田塾大学学芸学部国際関係学科卒、文化服装学院卒。東京コレクション参加ブランドのパターンナー、大手アパレル会社の企画室を経て独立。現在、湘南エリアを中心に独自に開発したメソッドによるファッション・レッスン、各種ワークショップを開催するなど活動中。ブログ『
誰も教えてくれなかったおしゃれのルール』