服はたくさん買うのに“合う服がない”…最悪スパイラルになる理由
●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」24 by小林直子●
ファッション雑誌に、今、赤いバッグがお勧めと書いてあったので、赤いバッグを買いました。でも、おしゃれに見える方法がわかりません。どうコーディネートしたらいいでしょう?
どうやら多くの皆さんが、自分が欲しいからではなくて、誰かのお勧めで何かを買うようです。ファッション雑誌でいいと書いてあったから、お店で勧められたから、スタイリストさんのお勧めだから。レストランで「今日のお勧めは何ですか?」と聞いて注文するみたいに、服や靴、バッグでも誰かのお勧めを買うのでしょう。
レストランはそれでもいいでしょう。その日、おいしく食べれば終わります。けれども、服や靴やバッグはそうはいきません。食べるわけにもいかず、ずっとクローゼットに残るのです。
さて、皆さんは、例えば「今日は寒いから、豆乳鍋にしよう」と決めて、お買い物に行って、何を買いますか?
家に豆乳とねぎがあったら、足りない豚肉とお豆腐を買いますね。なぜなら、今夜の目的は豆乳鍋であったまることだからです。
それなのに、スーパーに行ったら、「今日のお勧め」で、かつ安売りはアボカドとしめサバでした。ではそこで、豆乳鍋であったまりたかったあなたは、予定変更してアボカドとしめサバを買うでしょうか?
もし買ったとしたら、アボカドサラダとしめサバだけじゃ寒いんで、何か暖かいものを付け足すために、新たな材料を買わなければなりません。そして結局、予算オーバーするかもしれないのです。
洋服のコーディネートも同じです。あなたがもうすでに赤い靴、赤いセーター、赤いラインの入った白い帽子を持っているのなら、赤を利かせたコーディネートをつくるために、赤いバッグを買って、それでおしゃれなコーディネートをつくることは可能です。
しかしそうでないとしたら、例えばもうすでにたくさん持っているのが、黒いバッグや茶色い靴、帽子はグレー、コートはネイビーという具合だったら…そこに赤いバッグを投入して、おしゃれなコーディネートをつくるためには、赤いバッグにふさわしい、赤い靴なり、赤い手袋なりを買い足さなければならないのです。
Q.赤いバッグを買ったのですが…
A.お勧めだから買うと、ムダな買い物がどんどん増える
ファッションは料理と同じ
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