『お嬢さん』より
――成人指定映画ながら、韓国でも大ヒットしました。観客のリアクションは男女で違いましたか?
監督:今回の映画に出てくる男性ふたりは、本当に出来損ないの男で、情けないところのある哀れな、みみっちい男たちです。そのため、男性の観客のなかでちょっと心が狭い人は不愉快な思いをして、居心地の悪さを感じたようですが、大方は笑いながら楽しんでくれましたね。でも映画館にはやはり圧倒的に女性の観客のほうが多かったです。舞台挨拶で全国を回ると、80%くらいは女性でしたね。映画館で111回観たというお客さんもいましたよ! 何度も観るお客さんというのは大抵女性でした。
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『お嬢さん』より
女性のなかで少し文句があるという人は、男性ふたりが出過ぎていると言っていました。女性だけの物語をもっと観たいのにと。でも私としてはあくまでも4人が主人公だと思って作った映画なんです。そういう意見を言う人は、原作のファンの方が多かったですね。ただ、原作通りに作らなければいけないという決まりはありませんから。
『お嬢さん』より
――本編には春画が登場します。日本では1年半ほど前に春画展が開かれ、大変な反響を呼び、女性たちが多く足を運びました。『お嬢さん』では女性の強さが打ち出されていて、とても気持ちがよかったのですが、現代の女性たちのこうした変化を、監督はどう感じますか?
監督:わたしがこの映画で言いたいと思っていたことと通じるものがありますね。女性の性的な欲望というものを率直にありのままに表して、自らそれを認めて表現することをためらわない。そういうことを私は望んでいましたし、快楽を追求する勇気を女性に出してほしいと思っていました。この映画はそれを勧める映画ともいえると思います。現代の女性のそういった変化というのは、とっても望ましいことだと思いますし、まさにこの映画と通じるものがあると思います。
『お嬢さん』より
<TEXT/望月ふみ>
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『お嬢さん』は3月3日(金)よりTOHOシネマズシャンテほかにて公開
配給:ファントム・フィルム
(C) CJ E&M Corporation
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi