カラオケでウケを取ったら、次は会話です。
「仕事は何か」「家族はいるのか」など、プライベートに踏み込むのはご法度。私も根掘り葉掘り聞かれてうんざりした経験がありますし、バカ正直に答えていたら、それこそ面倒くさい場になってしまうのです。「若さ」や「バカさ」をなるべく出さない方が気持ちのいいお酒が飲めます。
当たり障りのない、流せる程度の会話が正解です。例えば「今日、何軒目っすか?」とか、何も考えずに答えられて、しかも「何食べて来たんですか?」などに話が若干広がりそうな質問がちょうどいいようです。

かつての上司に教わったことがあります。
「スナックって本当にフラット。ああいうフラットな場では、コミュニケーションのバランスが取れていないと、いい人間関係を作れない」
スナックは、
人間力を鍛えられる場所なのです。確かに、会社の社長だろうがフリーターだろうが関係ありません。
さらに、ママからも学べることも多いです。ママさんは、企業の重役と思しきオジサンに「これ、出しておいて」と手伝わせているのです。寝てる客を叩き起こしたり、ちょっとした買い出しを頼んだり…。一見、怒られそうですが、男たちは喜んで動く。
自分が動かずに周りを巧みに使えるスナックのママの能力は、
会社組織でいうところの「部下を扱う」マネジメントに近い。一度、ママの洞察力と嫌みなく人を使える手腕を間近で学ぶチャンスにもなります!
来るべき老後に向けて、スナックで人生の先輩を見つけよう
ちなみに私が行くスナックで、ママに好かれる行為は「お通しを褒める」こと。乾きものなら別ですが、ちょっとした小鉢が出た際はチャンス。「こういうの一番ほっとする!」とガツガツ食べること。女性として敵じゃないと判断され、頂き物のおつまみや色々なサービスがついてくるケースが多いのです。
⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=676751

こちらがママさんの料理。一人暮らし女子には沁みるおいしさです
嫌われる女性は、誰かの連れで来たものの常連客などと盛り上がり、ホステス気分でいるタイプ。頼んでないのに飲み物を運んだり、挙げ句、先に帰る客のお見送りとかやっちゃうタイプ。これは絶対ダメ。気遣いとしてやってしまうのかもしれませんが、そこはプロのママに任せましょう。
こうして自分が素直に人生の相談ができる年上の先輩方が増えていきます。独身既婚者問わず、こういう人間関係ってこの殺伐として時代、絶対必要だと思うのです。
今はまだまだ友人知人も多く楽しく過ごしている人も多いでしょうが、定年後や老後は、地域コミュニティデビューが待っています。会社を離れてまでも人間関係で悩みたくないでしょうが、孤独な老後を過ごすより、スナックで新たな人間関係を構築してみることは、後々いろんなメリットがあります。
小さな世界ですが、地域密着型のスナックは、
新しい社会縮図を学ぶのに理想的な場所と言えるでしょう。
<TEXT/タケダマコ>