霜降りの牛は、歩けない、失明、薬づけetc…まだ霜降り肉が好きですか?
格付けと値段が高いと、美味しい気がしてくる
「霜降り大好き」な潮流が変わってきている
どう変わるのかというと、サシ、つまり脂を評価しなくなる時代が来るんじゃないかと(そういえば、今年1月、浅草の老舗すき焼き店「ちんや」が、「脂過剰な霜降り肉はもう出さない」と「適サシ肉宣言」をして話題になりました)。
一つには、最初に書いたようなアニマルウェルフェア(動物に苦痛を与えない)の問題で、若い世代が敏感に反応するでしょう。
そしてもう一つの要因は、昭和30年代~40年代前半生まれくらいの大量消費の世代が歳を重ね、衰える時期に差し掛かっていることです。私は30年代の最後のほうの生まれですが、前後5年くらいの年齢差の友人たちはことごとく、サシは「もう」要らないといいます。
もし赤身がはやったら、せっかく振り切ったアメリカやオーストラリアと同じ土俵になってしまうと心配される向きもいらっしゃるかもしれませんが、大丈夫、日本の農家のあくなき創意工夫にかける情熱は決してしなびたりはしませんから。
<TEXT/畑井貴晶>
【畑井貴晶】
フードクリエイター、マーケティングコンサルタント。白金のカフェ&ダイニングバー「blanc noir」、みなとみらい「Audi Cafe by blanc noir」をプロデュース。現在、新橋「炭火焼肉有田牛」料理長、茅ヶ崎駅ビル「アロハストリートカフェ」のフードコーディネーターなどを務めているが、元々はマーケティング業界に籍を置いていた。著書『大人のマーケティング』(古本のみ)。
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