1ツイートで炎上・解雇に…ネットリンチを楽しむ“善良でヒマな皆さん”
その原因のひとつとして考えられるのが、“フィードバック・ループ”という現象。SNSのように自分と同じ考えの人たちばかりと付き合っていると、“自分は正しい”という根拠のない自信が、まるで共鳴が共鳴を呼ぶように強くなってしまうのだそう。
こうしてツイッターやフェイスブックなどの不純物のない場でのやり取りばかりに慣れてしまうと、社会全体に同じような傾向が現れだす。
<だが今は、協調性があり、体制に順応する人にばかり居心地の良い、極端に保守的な世界ができつつあるように思う。「私は普通ですよ」「これが普通なんですよ」と皆が始終言っている。>(p.482)
ホロコースト論で著名なイェール大学教授で歴史家のティモシー・スナイダーによる小さな本が、いまアメリカでベストセラーになっています。『ON TYRANNY TWENTY LESSONS FROM THE TWENTIETH CENTURY』(TIM DUGGAN BOOKS)には、ファシズムや共産主義の脅威から民主主義を守るための論点が20ほど示されています。
その中で「Be kind to our language」(言葉を大切にしましょう)という指摘が印象に残りました。序論をご紹介しましょう。
<みんなが使うような言い回しを避けましょう。たとえみんな言いそうな内容しか伝えられないと思っても、あなた自身の語法を見つける努力をしましょう。そしてなるべくインターネットから離れましょう。本を読みましょう。>(p.59)
と、こんな貴重なアドバイスを持ち出すまでもなく、炎上させる人たちはつくづくヒマでお人好しだなと思ってしまいます。一銭にもならない正義をエサに、すすんで搾取されているのですから。
<TEXT/石黒隆之>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
「みんなが使うような言い回しを避けましょう」
その中で「Be kind to our language」(言葉を大切にしましょう)という指摘が印象に残りました。序論をご紹介しましょう。
<みんなが使うような言い回しを避けましょう。たとえみんな言いそうな内容しか伝えられないと思っても、あなた自身の語法を見つける努力をしましょう。そしてなるべくインターネットから離れましょう。本を読みましょう。>(p.59)
と、こんな貴重なアドバイスを持ち出すまでもなく、炎上させる人たちはつくづくヒマでお人好しだなと思ってしまいます。一銭にもならない正義をエサに、すすんで搾取されているのですから。
<TEXT/石黒隆之>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4


