一線級の女優として活躍しながら、最近ではバラエティ番組での活躍ぶりが目立つ。「イッテQ(日本テレビ系列)」ではイモトアヤコばりの眉毛面を披露し、まさかの女相撲にパイ投げ、さらにスライダーにも挑戦。必要以上に体を張りまくっている。
その勇姿に女優の片鱗は一切見られず、41歳の中年女芸人のプライドすら感じられた。
テレビを通して伝わってくるのは、彼女が何に対しても真剣で、全力投球であること。何も危険度の高い新境地に挑むことはないのだ。だって彼女は女優であり、あの東山紀之の妻。無理をしなくても、リアルセレブでいられるんだから。
それでも第一子妊娠中に見ていた「イッテQ」に感銘して自ら出演を志願。そしてその背中を
「やるなら全力でやれ」と押したのが夫の東山だという。
東山=ヒガシといえば、あのジャニーズ事務所の総本山のような存在。星の数ほどのジュニアたちを見て、たくさんのアドバイスをして成長させてきた。プロデュース力に関しては相当なものだろう。そのヒガシが妻に選んだのが、木村佳乃。
2010年の結婚当時、まだ木村は現在のようなギャグの才を発揮していなかった。本人も隠していたことを認めているが、“女優の牙城”を決して崩すことはなかった。
当時、私も所属事務所のホームページを見ていて「この人はどこに行きたいんだろう? このままだと、よくある番手が下がってそれでもプライドだけは一線級、みたいな女優になるのでは」と、思ったことを記憶している。
彼女の美しさが“普通”に扱われてしまうのではないかと。
ところが結婚、出産と経験を経ていくうちに、全力投球キャラを前面に押し出してくるようになった。第一印象もとても朗らかになった。きっと夫のヒガシは彼女が世間に隠していた明るく、純粋なキャラクターに惹かれたんだろうな、と想像してしまう。二人が結婚したときはその関係性が意外すぎて疑問だったけれど、今の魅力的な木村を見ると納得しかない。
そして夫がその魅力の開花にひと役買ったのだとすると、なんとナイスカップル。こんなに「パートナー・オブ・ザ・イヤー」にふさわしい夫婦、他にいる?