美術ヌードモデル、越えられない30歳の壁。指名激減で月収10万円…
最近、『女性の貧困』が何かと話題になってますが…職業、美術モデル(美大や彫刻家のアトリエで、裸でジッとポーズをとるお仕事)の吉村詩織さん(仮名・31歳)の収入も最近ガクッと減ってしまったんだそうです。
「この仕事は、基本1ポーズ20分×6が1単位で、1万円+交通費がもらえるんです。なので、朝昼晩入れば1日約3万円だし、出張の仕事が入れば割り増し料金がもらえる上に小旅行気分で観光してその土地の美味しい物を食べたりして…それも、もちろん先方のおごりですよ」
容姿端麗な吉村さんは、指名される事も多く引っ張りだこでした。
「23歳の頃が全盛期でしたね、月60万円位は平気で稼いでいました。もっと綺麗になって指名を増やそうと思い…化粧品や洋服、オーガニック食材など買いまくって本当に湯水のようにお金を使っていましたね」
しかもモデル料は、当日払いでもらえる場合も多く吉村さんは貯金する習慣が全く身につきませんでした。
「ですが、ここ1年位…まぁ30を過ぎた辺りからなんですが事務所があまり仕事を回してくれなくなったんです。もちろん収入激減ですよ。貯金なんて、ほとんど無いし、先月なんてとうとう電気を止められてしまい焦りました…」
使っていたiPhoneを買い取ってもらい、なんとか電気代を払ったんだとか。今は激安携帯に乗り換えたんだそう。
「最近は食費を抑えるために百均で買った6枚切りの食パンに納豆とチーズをのせてトーストした物を1日2回と決めて食べていますね。そして、光熱費を抑える為に電気も極力つけないようにしてベッドでラジオを聴いて過ごしています」
以前は、オーガニックの野菜を毎日食べていた吉村さん。今は、最近いつ野菜を食べたのか思い出せないといいます。
「歳をとって仕事が減る前に結婚すればいいや、と呑気に構えていたら…彼に20歳の子と浮気されてしまって。その子と結婚するから別れてくれって言われた時には目の前が真っ暗になりましたね…それから何にもやる気が起きなくなっちゃって」
4年間付き合ったその彼と昨年別れてからは、誰ともお付き合いする機会に恵まれていないとか。
「今まで変に稼いできちゃったので…今更スーパーのレジのバイトとか、かったるくてやりたくないんですよね…スナックとかも人と話すのが苦手だから無理だし。
まだ月に10本程度は仕事をもらえているので、なるべくお金を使わないようにして少ない貯金を切り崩しながら生きています。はやく新しい彼を作って結婚しないと…マズイですよね」
と、このように年齢や容姿が重視される職業についた場合…引き際が難しいようですね。
―お金がない…女の生活苦シリーズ vol.2―
<TEXT&漫画 鈴木詩子>
【鈴木詩子(すずきしいこ)】
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。
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月収60万円だった20代から30過ぎて収入激減
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