NYファッション界で成功したアケミさんに聞く「日本の女性はもっと活躍できます!」
94年春夏に発売される、93年9月のニューヨークコレクションはファッションウィークと命名され、コレクションに選ばれた世界24名のデザイナーの中から、3人のデザイナーが記念すべき初日のショーを発表しました。その3人にカルバン・クライン、ダナ・キャランに加えて、なんと私が抜擢されたのです。3つのテントで同時に開催されました。
ニューヨークは人種のるつぼ。仕事は日本人だからといって色眼鏡で見られません。純粋に仕事の成果が良いか悪いか、それだけの判断です。映画「プラダを着た悪魔」の『ヴォーグ』のカリスマ編集長アナ・ウインターやCNNのファッション担当の大御所エルザ・クレンチ等、辛口の全米のマスコミは私のオリジナルのハンドペイントした作品に賛辞を送ってくれました。
ランウェイに巻き起こった拍手の中、うれしくて手を振った自分の記憶が今でもあります。
日本人女性で世界的に活躍する人はなかなか現れません。かといって日本人が劣っているとは思えない。女性もレベルが高くてキレイな人が多いと感じています。問題があるとすれば、見ているところが身近過ぎることでしょうか。世界に目を向けていないというか。自分探しというけど海外でボランティアするのも私はちょっと違うと思っています。
自分がやりたいことを、とにかくやり始めればいいんです。周りの友人と比べるのはヤメた方がいい。みんな一緒でなくていい。自分が気持ちよくイキイキしているかどうか。
私は自分と人を比較しないから人の真似もしない。だからオリジナリティが生まれるのです。周りのことを気にせず自分らしく生きてほしいですね。日本人女性は素敵で魅力があるんですから。ちょっと角度を変えて世界レベルの女性を目指してほしいと思います。
―アケミS.ミラーさんインタビュー Vol.1―
【アケミS.ミラー】
兵庫県生まれ。京都できものを学び、79年から東京で“曽根あけみ”として活動。1989年にニューヨークに渡り、AKEMI STUDIOを設立。ニューヨークコレクションのデザイナーとして活躍。米国人の夫の死をきっかけに2013年に日本に帰国し、大阪市でフェイスデザインのメイクスクール「AKEMI S. MILLER BEAUTY STUDIO」を開校。
<TEXT、現在の撮影/studio KEIF・加藤慶>
日本の女性は、世界でもっと活躍できる
周りの友人と自分を比べるのはやめよう
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