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紅白歌合戦や長~い音楽特番が、音楽をつまらなくする

 そしてもう一つは、もっと大きな器として使ってみる視点。  こちらもアメリカの人気番組『The Tonight Show Starring Jimmy Fallon』で、スーパーマリオシリーズで知られるゲームプロデューサーの宮本茂氏がマリオのテーマをギターで披露していたのです。  しかも、宮本氏をサポートするのが番組のハウスバンドで最強のヒップホップバンド「ザ・ルーツ」というぜいたくさ。黒子に徹するからこそ、本物のミュージシャンのスゴさが際立つよい例だと思いました。 http://youtu.be/V17tXBePgfo

かつては、お笑い番組にも一流ミュージシャンが

 もっとも、日本だってちょっと前まではジャンル横断的に音楽が流れていたのです。  久米宏の『ニュースステーション』でバート・バカラックがピアノを弾いたり、『ダウンタウンのごっつええ感じ』では奥田民生と阿部義晴のコーナーがあったり、『ニュースJAPAN』では名ドラマーの村上ポンタ秀一率いるバンドがゲストミュージシャンと素晴らしいセッションを繰り広げたりと。  『さんまのまんま』でも桑田佳祐がその場で曲を作っていましたよね。  それがいつからか、音楽は音楽、お笑いはお笑い、ニュースはニュースと、スーパーの陳列のように味気なくジャンル分けされてしまうようになった。  そんな中で音楽離れが起きているのだとすれば、それはアーティストや楽曲そのものに魅力がなくなっている以上に、様々なジャンルがお互いに疎外し合うことから起こる機能不全なのだろうと思うのです。 <TEXT/音楽批評・石黒隆之> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
石黒隆之
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。いつかストリートピアノで「お富さん」(春日八郎)を弾きたい。Twitter: @TakayukiIshigu4
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