がんで年収が大幅ダウン!改めて考えたい、がんとお金のこと
今年の6月、がんにより34歳の若さで亡くなった小林麻央さん。アラサー世代であっても、がんや病気は決して他人事ではない、という認識を新たにした人も多いのではないでしょうか。
子どもがいる人はもちろん、シングルであっても、病気になった場合に気になるのはお金のこと。がん経験者に対し行われた調査で、がん罹患後の年収は平均で83万円も減少していることがわかりました。

がんや病気になると、治療にも通院にもお金がかかります。健康保険の対象にはならない自由診療の治療などを受ければ、さらにその金額は高くなり、経済的な負担が大きくなるものです。がん経験者572名への調査では、罹患前の収入が平均415万円に対して、罹患後は332万円と、20%も収入がダウンしていることがわかりました。
しかも、収入が半分以下になった人は全体の47%で、ゼロになった人も18%もいるのです。
がんになって収入が減少する理由として、最も多いのは「休職」で35%の人が該当していると回答しています。また「業務量のセーブ」が33%、退職する人は25%で、転職した人も17%います。仕事を休んだり辞めたりして、治療に専念するという選択をする人が少なからずいるということです。
仕事と収入に関して、次のようなエピソードが。
「転職してパート職員になったため収入減に。体力も落ちて労働時間も減りました(30代女性)」
「入院、手術のため2カ月休職した。障害手当金は出たが収入減となった(40代女性)」
「進行がんだったので慌てて退職してしまった。もっと調べて相談してからにすればよかった(40代女性)」
たとえ自分ががんなどの病気になったとしても、経済的になんの心配もないという方は少ないはずです。自分の生活のため、家族のため、子どものためと、労働時間をセーブしたり転職したりしながら、仕事を続けざるを得ないという方もいるでしょう。
そんなときにやっぱり考えたいのが「ライフワークバランス」です。がん経験者も職場復帰して変わった点として、75%の人がライフワークバランスを挙げています。体も心も健康で、自分のプライベートの時間も大切にバランスをとってこそ、充実した生活が送れるということを、身をもって経験しているのでしょう。
ちなみに、がんになったことを職場の上司に伝えた人は85%、人事担当者に伝えた人は78%、同僚は69%と、かなり高い割合で職場の人へ伝えている実態がわかります。
病気になったらことを考えるのはネガティブなことかもしれませんが、万が一の場合に起こりうることを知っておくことは大切ではないでしょうか。
【調査概要】
・調査主体:ライフネット生命保険株式会社
・調査対象:がん罹患時に就労していたがん経験者572名
・調査方法:ウェブアンケート
・調査地域:全国
・調査実施時期:2017年6月
・調査協力団体:特定非営利活動法人キャンサーネットジャパン
<TEXT/佐藤まきこ>
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佐藤まきこ
女性誌のエディターやファッションビルの広告・プロモーションのプランナー、コピーライターとして長年経験を積み、フリーランスのエディター・ライターへ。ハワイ在住。Instagram:@hawaii_milestone