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映画『火花』初日から空席だらけ…菅田&桐谷は「笑って泣ける」か

 芸人の又吉直樹が執筆した小説『火花』が、菅田将暉と桐谷健太のW主演、監督・板尾創路という豪華メンバーで映画化されています。さっそく見てきました。 火花チラシ

初日の開演10分前でもチケットが取れちゃった

 11月23日、映画でも見ようと思い立って新宿に行くと、ちょうど『火花』の公開初日でした。予約していなかったので無理かと思いきや、開演10分前なのに空席だらけ! 菅田将暉ファンは見に来てないのかな? 初日なのに大丈夫かと不安になりながらも、良い席がとれてラッキー。  動員数はいかほどか調べると、11月25(土)~26日(日)の観客動員数ランキングでは洋画に引き離され初登場3位。土日2日間の動員は8万2400人、初日からの4日間累計の動員は16万4500人とのこと(興行通信社)。全国318スクリーンで封切られた作品にしては、ちょっとさみしい数字です。

「笑って泣ける」との前評判だったけど……

 肝心の映画の内容は、Netflixでドラマ版を見ている私にとっては、キャストを人気俳優に置き換えただけの作品としか思えませんでした。原作ものだから仕方ないけれど、話の流れもセリフも展開もドラマのダイジェスト版。このセリフはドラマだったら笑えたのに、泣けたのに、桐谷健太や菅田将暉が言うと、なぜか笑えないし、泣けないんです。  そもそも『火花』という物語のいいところは二つあります。  一つは駆け出しの芸人がとにかくがむしゃらに上を目指すというシンプルなストーリー。そこには若い時代にしか出せない圧倒的なエネルギーがあって、表現者もそうでない人も、その熱量に自分の青春を重ねるでしょう。  もう一つは、芸人としてあるレベルまで到達したときに、自らの信じる笑いを貫き続けるか、あるいは大衆に受け入れられるために妥協するのか、その葛藤がわかりやすく2人の師弟=神谷(桐谷)と徳永(菅田)を通じて描かれる点です。  ドラマ版での売れたい! 売れたい! というセリフは、そのリアルさからか胸に迫るものがありましたが、菅田-桐谷はauの“鬼ちゃんと浦ちゃん”が浮かんでしまって、売れてる雰囲気を隠し切れていないんですよね。
ドラマ火花

『ドラマ火花』はNetflixで全話配信中

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