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夫の不倫相手を呼びつけ…慰謝料200万でも終わらない“妻の復讐”

不倫相手に、慰謝料200万円を約束させる

 弁護士と相談して用意してきた書類にサイン、捺印させた。今後二度と会わないこと、もし会ったらミホコさんの言いなりの金額を支払う、その際は夫同伴で話し合うなどなど。 契約書「今回、あなたのご主人に話さないのは私の情けだからと言ったら、彼女、身を縮めて聞いていました。  それから『今回の慰謝料はどうするつもり?』と聞いたんです。こちらとしては出るところへ出てもまったくかまわない、と。すると彼女は『いくら払えば許してくれるんですか』って。  私、ちょっとそこでキレましたね。『いくら払ったって、許しはしないわよ。ただ、私が精神的に傷ついたことに対しての損害賠償をしてもらいたいの』と言うと、『でも私たち、奥さんより前から関係があるんですよ』と言うわけです。  彼の愛は自分にあると主張したいんでしょうね。私に一方的に負けるわけにはいかないとも思ったんでしょう。 『あなたも妻という立場なんだから、愛人がそういう自己主張したらかえって墓穴を掘るって覚えておいたほうがいいわよ』  そう言って私はスマホを見せました。スマホで録音していたのでね。裁判になればそれが物を言う。すると彼女、急に黙ってしまいました」  ミホコさんは500万円と大きく出た。ユカリさんは青ざめて、とてもそんな額は無理だと言った。「あなたのうちの夫への愛情はそんなものだったのね」と嫌みを言いながら、ミホコさんは200万まで値を下げた。 「一括でも分割でもいいけどどうすると聞いたら、一括では払えない。分割にしてほしいと。結局、月々10万で20回払い。しかもいちいち私に直接手渡すこと。それも書類に明記して、その足で彼女を公証役場に連れていき、正式な書類を作りました」

毎月、慰謝料を持ってこさせ「会うたびに嫌みを言う」

 1年8か月にわたって、毎月彼女の顔を見るのはミホコさんにとってもつらいことではないのだろうか。 「私もイヤだけど、相手はもっとイヤでしょう、きっと。会うたび嫌みを言って、私は少しずつストレス解消できるかなと思ったんですよね」 札束 今も毎月、ミホコさんはユカリさんから10万円ずつ受け取っている。顔を合わせて。 「会うたびにむかつきますけどね、毎月、すみませんすみませんと言っている彼女を見ていると、やっぱり少しはすっきりしますね。夫にも書類は見せてありますが、夫は彼女を慰めることさえできない。毎日、事細かにスケジュールを知らせること、私がスマホチェックをすることなど、夫との間にもいろいろ取り決めをしましたから」  専業主婦のユカリさんが、どうやって毎月10万円を捻出しているのだろうと思ったのだが、聞けばパートを始めたのだという。パート代で一部を負担、あとは今までの預貯金を取り崩したり生活費を切りつめたりして捻出しているのだろう。  なんだかユカリさんが不憫(ふびん)になる。そう思いながらふっとミホコさんの顔を見ると、会った瞬間にはわからなかった眉間(みけん)の深いシワが目に入った。この人も「妻」という立場で苦しんできたのだ。  そしてふたりの女性を苦しめているのはひとりの男。だが、このふたりはその男を愛してきたのである。どうしたらこのふたりが心から笑える日がくるのか、私にはとうていわからない。 <TEXT/亀山早苗> 【亀山早苗】 フリーライター。男女関係、特に不倫について長らく取材し、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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