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紅白司会2回もやった上沼恵美子、“上から目線 ”女王の意外と知らない大御所ぶり

 今年の紅白歌合戦の総合司会は内村光良が務めますが、今までに司会をしたお笑い芸人といえば、タモリ(1983年総合)、上沼恵美子(1994-1995年紅組)、笑福亭鶴瓶(2007年白組)。  タモリ・鶴瓶には納得するものの、上沼恵美子って2年連続やるほど大物なの? と、関西以外の人にはピンと来ないのでは。
上沼恵美子

上沼恵美子 『スーパー・ベスト』

 今年のM-1グランプリ審査員で、その“上から目線”ぶりに批判もあった上沼恵美子。意外と知らない“関西のドン”ぶりを、お笑い評論家のラリー遠田さんに解説してもらいました(以下はラリーさんの寄稿)

上沼の「よう決勝残ったな」に、視聴者のけぞる

 12月3日、漫才の祭典『M-1グランプリ2017』が行われ、とろサーモンが見事に優勝を果たしました。ただ、今回の『M-1』では、1つの事件が起こったことが話題になっています。それは、決勝メンバーの一員であるマヂカルラブリーが、漫才を披露した後、審査員の上沼恵美子さんから激怒されたことです。  上沼は、マヂカルラブリーに「83点」という低い点数をつけて、司会の今田耕司さんからコメントを求められても「ごめん、聞かないで」と答えました。そして、こんな言葉を残したのです。 「一生懸命がんばってるのは分かるけど、好みじゃない」 「よう決勝残ったな」  大御所芸人から浴びせられた手厳しい言葉に、2人は呆然と立ち尽くすばかり。ほかの審査員の点数も軒並み低く、マヂカルラブリーは10組中10位という結果に終わりました。  この事件に関して、ネット上ではマヂカルラブリーへの同情的な声が大きいです。上沼については「厳しすぎる」「なんであんなに偉そうにしているのか分からない」などという声もありました。  一方、関西の人からは「上沼さんは普段通り」「あんなのは怒っているうちに入らない」などというコメントが目立ちました。  上沼と共演して本番中に直接怒られたこともある狩野英孝さんは、自身のツイッターで「いつも上沼さんに怒られてる僕から言わせてもらったら、マジはもっと凄い。まだまだ、全然。愛ある。」と書いていました。  関西を拠点に活動している上沼の素性は、関西以外の若い世代の人たちにはあまり知られていないのでしょう。上沼恵美子とはどういう芸人なのか、なぜ彼女が『M-1』の審査員を務めているのか、改めて説明していきます。

「お笑い界の白雪姫」とも

 上沼恵美子は、姉妹漫才コンビ「海原千里・万里」の海原千里として1971年に芸能界デビューしています。当時まだ高校生だったにもかかわらず、卓越した話術で瞬く間に人気者になりました。
海原千里万理

『海原千里万理ベスト』

 下積み時代の島田紳助さんは、海原千里・万里の漫才を見て、セリフをすべてノートに書き起こし、その面白さの秘密を研究していました。そして、それを元にして自分たちの漫才を作り上げたのです。あの紳助がお手本にするほど、その漫才の技術は圧倒的に優れていました。  海原千里・万里はアイドル的な人気を博していて、上沼は「お笑い界の白雪姫」と呼ばれていました。全盛期にはテレビ・ラジオのレギュラー番組を十数本抱え、歌手としてレコードも出しており、1976年にリリースされた『大阪ラプソディー』は40万枚を超える大ヒットを記録しました。
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コンビ解散後、関西にこだわったワケ
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