不妊の末に“養子”をもらった親の喜びと、直面する問題
「もう離れ離れにならない」という安心感
――じゃあ接し方も変わらないんですね。著書の中に「養育権を剥奪されるので里親から里子への体罰は絶対にNG」と書かれていましたが、そういう緊張感から解放された……ということはありませんか?
古泉:うーちゃんはまだ小さいし、もともと叩いたりするシーンがなかったのでそういう感覚はないですね。でも、熱いストーブに手を出すとか車道に飛び出すとか、本当に危ない局面だったら手を叩くくらい許されると思うんですよね。里親でも。
――そうですよね。大きくなるほど注意やしつけの範囲で軽く叩いてしまう局面が出てきそうなので、それも許されないとなるとコミュニケーションに緊張感が生まれそうだなぁと思いまして。
古泉:そういえば、「里親会」で年に一回開催される「父の会」で耳にしたんですが、ある方が児童相談所の職員さんに「本当に悪いことをしたときはどこまでの体罰なら許されるのか?」と聞いたら、「“頭をグリグリ”までならOK」だと言っていたらしいですよ(笑)。
――育てているうちにそういう疑問も出てきますよね。子どもの安全保護を考えると児童相談所も簡単に例外はつくれないんでしょうけど、そういうリアルなやり取りは面白いですね。
※後編は近日中に配信予定です。
【古泉智浩 プロフィール】
1969年生まれ。ヤングマガジンちばてつや賞大賞受賞。『ジンバルロック』『ワイルド・ ナイツ』他。『チェリーボーイズ』が映画化し、2018年2月に公開予定。現在、『特別養子縁組やってみた 漫画 うちの子になりなよ』を漫画配信サイト「Vコミ」で連載中。ブログ:古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』
<TEXT/持丸千乃> 1
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