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今どき紅白に出るメリットとは…CDが売れる?ハクがつくだけ?

 ずいぶん前から「紅白歌合戦がつまらなくなった」と言われています。昭和50年代までは視聴率が80%近かったのが、ここのところ視聴率40%をキープさせるため、NHKは最後の最後、ギリギリまで粘って交渉を続けます。 紅白アイコン その甲斐あって、今年は安室奈美恵が紅組ではなく「特別出演歌手」として出場することが決定。正式な出演者発表後に特別企画枠を発表するなんてことは、数年前まではありませんでした。

アイドルを増やさざるをえないNHKの事情

「事務所枠だとか、レコード会社枠などという言葉がありますが、数年前までは誰もが納得するその年の『国民的ヒット曲』が必ずありました。でも、CDセールス全体の落ち込みとともに、その年の顔となるヒットさえもなくなってきました。  昨年のピコ太郎のようなケースもありますが、『ヒット曲』というよりは『認知曲』枠としての出場でしょう」(レコード会社関係者)  毎年、芸能事務所は夏くらいから紅白に出したいアーティストを売り込んでいき、レコード会社は秋になって出演可能アーティストを数組に絞ってNHKに打診するそう。最近では出演者発表の前に「卒業宣言」をする歌手も多くなりました。そういったベテラン歌手に変わって、男女問わずアイドルグループが数多く選ばれています。
AKB48

AKB48は「紅白史上初!パフォーマンス曲を視聴者投票で決めちゃいます!」とのこと

「さすがにNHKも、マンネリだという世間の声は無視することができず、世代別に人気歌手のリサーチを徹底しています。確実にCDセールスがあり、固定ファンがいて視聴率の取れるアイドルを数多く出さざるを得ないのです。従ってここ数年、ベテラン歌手にとってはかなりシビアな時代になっていますね」(音楽評論家)

紅白に出るとCDは売れる?ハクがつくだけ?

 そもそも、紅白に出ればCDが売れたりする「実益」は今でもあるのでしょうか? それとも単に「ハク」がつくだけなのでしょうか?  事務所関係者によると、まず、演歌・歌謡曲の歌手にとっては、今でも紅白出場は何より一番の目標。演歌・歌謡曲ジャンルは出演枠が少なくなっていることもあり、新人からベテランまで、チャンスを掴むためにどの歌手も一曲のヒットのために日本全国を回り、必死に活動するといいます。
丘みどり

初出場の若手演歌歌手、丘みどり。知ってる?

「昔から変わっていませんが、演歌・歌謡曲系の歌手にとっては、紅白に出演すると、一気に知名度が全国区になる。翌年からの営業ギャランティがアップし、コンサート動員、グッズの売り上げなども格段に違ってきます。また、日本人は元々『苦節×年』という言葉に弱く、すぐに応援体制ができ上がっていくので、紅白は絶対に欠かせない場所なのです」(事務所関係者)  対して、ロックバンド系にとっては、紅白はたいして有難味がないようです。 「ロックバンド系は、昨年、映画『君の名は。』の主題歌を歌ったRADWIMPSのように、社会現象にまでなればともかく、31日は紅白出場よりもフェスやイベントに出演した方がカッコいいし、来てくれたファンと一緒にカウントダウンをした方が盛り上がりを体感できるわけです。  唯一違うのは、リバイバルなどでの再結成組。彼らは一つの区切りの意味で出る場合が多いです。以前はオファーがあっても出なかったのが、再結成ツアーも成功させ、一区切りの意味で紅白に出場するというケースが増えています。最後にハクをつけるという意味もあるでしょうね」(レコード会社関係者)  たとえば、今年初出場のエレファントカシマシは、再結成ではないですが、「30周年」でベスト盤リリースやツアーなどを行った1年のの締めくくり、という意味がありそうです。
エレファントカシマシ

初出場のエレファントカシマシは、再結成ではないが「30周年」でベスト盤やツアーなどの締めくくりになりそう

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安室奈美恵にとっても特にメリットはない?
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