実は3人が3人とも、20代のうちは苦汁をなめていたようです。

星野源「働く男」文藝春秋
星野源はインストゥルメンタル・バンド「SAKEROCK」のリーダーとして活動し、一定のファンは獲得するも、一般への認知度は低く、2011年に「フライデー」で歌手のaikoとの熱愛報道が出た時には、一般人扱いで写真に目線を入れられる始末。星野自身も、「俺は20代、30ちょい前ぐらいまで自分に自信が全くなかった」とラジオで明かしています。
又吉も、1999年に19歳で上京してNSC東京校に通い出してから、2010年あたりからコンビ「ピース」としてじわじわと注目されるようなるまでは、なかなかの貧乏生活を送っていました。
また、高橋のこの発言は興味深いです。
「僕の20代は暗黒時代(笑)でしたから。悔しさと葛藤のあったあの時があったから、休みたいなんて口が裂けても言えません。」(「GINZA」2016年8月号インタビューより)。

高橋一生「+act. 2018年 1月号」ワニブックス
たしかに私も、高橋の顔と名前が一致したのは、2011年に放送されたクドカン脚本ドラマ『11人もいる!』。高橋が30歳の時です。しかも、レギュラー出演ではなく、第7話のみの出演。印象的な役どころであったためか、はたまた高橋の魅力にやられてしまったのか(その両方か)、「いまの俳優さん、なんだかすごく気になる!」とググった記憶があります。
彼ら3人の同級生が成人し、本格的に社会の荒波に揉まれだしたのは2000年前後。この頃は、いわゆる就職氷河期真っ只中で、有効求人倍率は1を下回り、冷え込む景気。20代ですぐに活躍できる場がなかった彼らは、この時代にしっかりと経験を積みながら辛酸を舐めたからこそ、30代で徐々に花開き、ブレイクと相成ったのではないでしょうか?
そう考えると、この3人に共通する、低体温・低血圧そうな雰囲気は、むしろ20代に色々と鍛えられたがゆえの「そうそうのことでは動じない」したたかさに由来しているのかもしれません。そして、そこが彼らの魅力のひとつになっているように思います。

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それから、多分に個人的な意見ですが、「丸メガネ」が似合う男性に、影のないやつはいない! 暗い青春は、知性への入り口となっているはず。「付き合ったら絶対に楽しい!」と思わせてくれる多才さと知的な雰囲気は、うつうつとした20代を送った彼らが人知れず吸収したカルチャーや本のたまもので、これも彼らの強力な武器になっているのかも。
酸いも甘いも噛み分けながら、まだまだ引き出しの多そうな同級生男性3人を、2018年も見守ることをここに宣言します!
そして、後生だからあまりにもパッパラパー(死語?)な女と結婚しないでくれ!
<TEXT/白井のんの>