ドレスは黒、口紅はパープル…セクハラ抗議でゴールデン・グローブ賞がすごい光景に
米ショービズ界の祭典「第75回ゴールデン・グローブ賞」が7日(日)、ビバリーヒルトンで行われた。アカデミー賞の前哨戦として注目度が高い毎年恒例の祭典だが、今年は華やかな衣装をまとった一流スターが集う例年とはまったく違った光景が見られた。
「私が演じたこの役は現在、社会で議論の的となっている『虐待』を象徴しています。このストーリーを通じて、そのことに変化を起こすことができることを私は強く信じ、また望んでいます」
一方、映画部門で同じく4部門を制した『スリー・ビルボード』で女優賞に輝いたフランシス・マクドーマンドも、受賞スピーチにてセクハラ問題について言及した。
「皆さんもご存じの通り、私は政治的発言はしないタイプですが、今夜ここに居合わせたこと、私たちの業界の力関係を揺るがす地殻運動に加わることができることに本当に感謝しています」
世界一稼ぐといわれるトップ女優のエマ・ストーンもゴールデン・グローブ賞のレッドカーペットで、メイクで「タイムズ・アップ」を支持する姿勢を見せた。
他の女優たちと同じく、セクハラ抗議のためブラックのドレスを着て登場したエマだが、ドレスだけでなく、メイクも19世紀のフェミニストが使用したグリーンとホワイトのアイシャドウにヴァイオレットの口紅というスタイルできめていた。
メイクアップアーティストのレイチェル・グッドウィンはピープルスタイル誌にこう話している。
「女優達がブラックのドレスを着てセレモニーに出席することやその背景にあるメッセージ、私の友人であるアリアンヌ・フィリップスが『タイムズ・アップ』のピンをデザインすることなどを聞いた時、私もメイクにメッセージ性を持たせたいと思いました」
「真紅の口紅は婦人参政権論者がつけたものだと思ったので、もう少しリサーチすると、特定のベルトやピン、ペチコートなどが着用されていたことが分かって、しかもそれらはパープル、エメラルドグリーン、ホワイトのものだったと分かったのです」
「なので私はただのマスカラや口紅というだけでなく、メイクにも深い意味を持たせたいと思いました」
またレイチェルは今回の同式典のレッドカーペットは、これまで以上に重みのあるものだったと続けている。
「今回のレッドカーペットは意味合いが込められていたために全く違っていました。なので今回は主張を込めながらもエマが美しいと感じられるようにしたかったのです。大きな意味を持つものでしたし、運動を支持する異なった方法でしたね」
授賞式で女優たちが黒のドレスを着て、セクハラに「無言の抗議」をするという動きについては賛成の声ばかりでもなかった。セクハラを告発した女優ローズ・マッゴーワンは、この抗議運動を「偽善的」として、運動への参加を噂された大女優メリル・ストリープを非難し、女同士のバトルに発展しそうな様相に。しかし、当日はスターたちが一丸となって黒をまとい、連帯を示す一日となったようだ。
<TEXT/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
黒、黒、黒…どこを見渡しても黒の衣装ばかりが目立った今年の祭典。昨年ハリウッドを揺るがしたセクハラ問題について、抗議の意思を示そうと、スター俳優たちが黒一色の衣装でレッドカーペットに登場したからだ。 これに先だち、女優たちがセクハラ撲滅キャンペーン「タイムズ・アップ」を立ち上げ、授賞式では“連帯”を示すためにそろって黒い衣装を着ることを告知していた。 ドラマ部門で最多の4部門を制した『ビッグ・リトル・ライズ ~セレブママたちの憂うつ~』で、DVの犠牲者セレステ・ライト役を演じ、女優賞を受賞したニコール・キッドマンも黒のドレスで登場。受賞スピーチでは、社会に変化を起こすことができると強く信じていると語った。

ニコール・キッドマン
エマ・ストーンはメイクでセクハラ抗議

エマ・ストーン