ストーリー以外の部分に目を向けると、唸りを立てて回る風力発電の巨大プロペラや、海岸に並べられた波除けのテトラポッドなど、魅力あるロケーションの画が印象的でした。それらはまるでハリカの心に漂う虚無感を表しているかのようです。 　また、奇しくも第1話が放送された1月10日の誕生花は、ドラマのなかでハリカが訪れた町の名前でもある「柘（つげ）」（※ほかにもフリージアなどがあります）。さらにその花言葉は「堅忍」。まるでハリカのこれまでと、そして今後待ち受ける厳しい人生を暗示しているかのような仕掛けです。 http://youtu.be/3q-TsauwVMQ 　初回は惜しくも10％を切り、これまでの同枠ドラマの視聴率と比べると多少低かったですが、ライト層に迎合せずこれだけの数字が取れたのですから、おそらく最終回は10％を超えるでしょう。最後まで腰を据えて見届けたい作品であることは間違いありません。 　まだ始まったばかりのドラマに意見するのも失礼ですが、ハリカを待つラストには救いがあるのか、そうではないのか、坂元さんが出す答えが非常に気になります。 　いずれにせよ、視聴者が現代社会や自分自身の内面について深く考えるような、大きな問いかけを突きつけて欲しいと思います。 ＜TEXT／中村裕一＞