「会社に入ると、きちんと意見を言えて、ちゃんと叱ってくれる男の人がいいなぁって思うようになりました。ケイタの場合は、例えば『このアニメのどこが好き?』ってきいても、『ん~、面白いからかな?』とか……とにかく自分の言葉が出てこないんですよね。これじゃ仕事できなそう、と思いました」

それにわざとじゃないですけど、とユカさんは前置きして、「
私が遅刻してもドタキャンしても、『俺はいつでもユカちゃんに合わせるからいいよ』って、全然怒らないんですよ」
これはもはや、優しさと言うより甘やかし。次第にケイタさんを異性として見られなくなったユカさんは、考えた末に別れを切り出すことにしました。するとケイタさんは目に涙を浮かべて、「
別れたくない。悪いところがあったら直すから」……。
「ホントはもうこのまま、連絡取らないでそっと終わりにしようと思ったんですけど」
少し落ち着いた様子のケイタさんから電話があったのは、別れ話をした夜のこと。
「俺はやっぱりユカちゃんが好きだから、普通に食事に行ったり、友達としてでもいいからこれからも仲良くしたい。
ユカちゃんに好きになってもらえるように努力するから、そのときはまた告白させて」

想定外の提案に、さすがに少し驚いたと言うユカさん。けれども、友達なら問題ない。
実際友達になってみると、メリットが多いことに気づいたと言います。たまに一緒にごはんに行く。愚痴を聞いてもらう。相談のようで、話を聞いてもらいたいだけの、急な長電話にも応じてもらえる。「
超、ぬるま湯ですね(笑)」。
現在フリーのユカさんですが、ケイタさんと別れてから、2人ほど付き合った人がいました。今はといえば、単なる恋人よりも将来の旦那様候補を探しているのだとか。そんな婚活中のユカさんを、ケイタさんはどのように思っているのでしょう? ユカさんはちょっとばつが悪そうに答えました。
「実はケイタには、男関係はずっと隠してるんです。彼氏とか好きな人を、女友達や会社の上司と置き換えて話していて。その上で、
好きな人がなかなかできない、今は仕事を頑張りたい、って設定です、ずっと」
それはケイタさんに最大限優しくしてもらい続けるための、ユカさんの心得。そのあまりの身勝手さに、女友達からは「あんたそのうち刺されるよ」との忠告を受けているそう。くれぐれも、ほどほどに……。ときどきぬるま湯に浸かりながら、ユカさんは今日も婚活に勤(いそし)しんでいます。
<TEXT/ハタイ>