純情な元カレを都合よくキープ。これって“ひどい女”ですか?
バブル期に大量発生したという、「アッシー」や「メッシー」といったキープ君。じつは今でも形を変えて存在しており、女性から下僕のように扱われています――。
<こないだはごめん! 今夜だったらご飯行けるよ>
金曜の昼休み。一週間も既読スルーしていたLINEにこう返信したのは、都内出版社の編集部で働くユカさん(27歳)。LINEの相手は、別れて4年経つ元カレで、地方公務員のケイタさん(26歳)です。
<ユカちゃん、お仕事お疲れ様。今日、先輩に美味しいイタリアン教わったんだ。よかったら、週末にでも一緒に行ってみない?>
このケイタさんからのLINEを、ユカさんは完全に忘れていたそう。
「金曜だし、誰かと飲みたいじゃないですか。でも女友達は最近みんな彼氏できて捕まらないし、アプリで知り合ったいい感じの外銀の人からは連絡なし。そのとき、ふと思い出しました。そういえばケイタ、って(笑)」
一週間ぶりの返信にも関わらず、<俺も大丈夫! 店とったらまた連絡するね>とほぼ即レスしてくれたケイタさん。こうして無事に飲み相手を確保することができたユカさんですが、「ホントは好きな人と飲みたいですよ」と言いました。
そもそも、ユカさんとケイタさんが付き合い始めたのは大学生のとき。ひとつ歳下、上京したてなうえに、男子校出身で明らかに女慣れしていない様子のケイタさんに、ユカさんは新鮮な印象と興味を持ちました。
「周りにいなかったタイプ。あのときは、話しかけるたびに照れ臭そうにする態度が可愛かったんですよね。打ち解けるのに結構時間がかかったけど、少しずつ心を開いてくれるのが嬉しくて」
知り合って半年ほど経ったころ。ユカさんが駅前を歩いていたら偶然、「アニメショップから出てきたケイタとばったり会ったんです」。それまでケイタさんがアニメ好きとは聞いたことはありませんでしたが、
「『へぇ、こういうの好きなんだ……』くらいで、別に引いたりしませんでしたね。だから私は態度を変えることも当然なかったんですが、それがケイタ的には嬉しかったらしくて、そこから一気に心を開いてくれた」
やがてケイタさんからの告白で、二人は付き合うことになります。ケイタさんにとって、初めての彼女になったユカさん。ケイタさんはいつも穏やかで優しくて、ユカさん自身、大事にされている実感が常にあったそう。
――この人といたら、いつまでも幸せに暮らせるかも……。「なんて、頭のなかお花畑でしたね(笑)」
二人の仲が順調だったのは、お互いが学生のうちだけ。一足早く社会人になったユカさんの気持ちは、少しずつ冷めていくことになります。
「女性に免疫なし×男子校出身×オタク気質」な彼
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