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アパレル店員をクビになり、老人ホームに転職した女性「まさかの給料倍増」のワケ

 売り上げの落ち込みなどによる閉店リスクの高いアパレルや飲食店。いずれも女性が多い職場で、契約社員やパートなどの非正規雇用の従業員は閉店に伴い、職を失うケースも珍しくありません。
アパレルで働く

写真はイメージです(以下同じ)

 九州出身の内田汐里さん(32歳・仮名・福祉関連会社社員)は、3年前まで都内のアパレルショップで契約社員として勤務。同時に不定期ながらスタイリストのアシスタントとしても働いていました。  ところが、業績悪化によるショップの閉店が決まり、契約社員だった彼女の更新も見送られてしまったそうです。

30歳目前で失業と失恋のWパンチでどん底に……

「アパレルの仕事がしたくて東京に来たので、給料は安くてもそれなりに満足はしていました。けど、仕事をクビになってしまい、月2~3回のスタイリストのアシスタントだけでは生活できません。ちょうどその少し前に4年付き合った彼氏と別れたこともあって、精神的にすごく落ちている状態でした」  実は、彼女はもともと地元の老人ホームに勤めていましたが、アパレル業界への憧れが捨てきれず、仕事を辞めてファッション系の専門学校に進学。卒業後、その夢を叶えることができましたが、ショップは正社員への登用制度がありながら叶わなかったこと、さらに30歳目前という年齢的な焦りもあって、地元に戻ることを決めたといいます。 「地元はおばちゃん相手の洋品店がある程度で、アパレル系の仕事に就くことは考えていませんでした。でも、地方なので求人の数も限られていたこともあり、再び老人ホームで働くことにしたんです」 老人ホーム かつての勤務先とは別のホームだそうですが、最初のうちは生活のためと割り切って働いていたとか。実際、当時は「毎日が退屈で仕方なかった」と振り返ります。でも、ここで再び転機が訪れます。

入居者に私服のコーディネートを頼まれて…

「ある日、入居者の70代のおばあちゃんから私服のコーディネートをお願いされたんです。その人とは仲が良く、私がアパレル店員やスタイリストのアシだったことを話していたのですが、どんな組み合わせがいいかを考えるのはやっぱりすごく楽しいんです。それで今の職場でこれをやればいいんじゃないかと思ったんです」  スタイリングしてあげたおばあちゃんからは、「30歳若返ったみたい!」と喜ばれ、ほかの入居者からも頼まれるようなったそうです。 地元で再出発「働いていたホームは特養ではなく、民間のケアマンションということもあって元気な方が多かったんです。  そこで入居者のみなさんと隣町にある大型ショッピングセンターやユニクロなどに出かけて一緒に買い物をしたり、私自身ネイリストの資格も持っているので仕事の合間に塗ってあげたりしていました。みなさんすごく生き生きとしていて、その手助けができるのがすごく嬉しかったです」
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本社勤務に栄転!給料が倍増
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