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中谷美紀&玉木宏のスレ違う夫婦が超リアル…不倫ドラマ『あなたには帰る家がある』

 夫婦という“他人”について深く考えさせられる、中谷美紀主演のドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS系、金曜夜10時~)。第1話の視聴率は9.3%でした。
『あなたには帰る家がある』

『あなたには帰る家がある』TBS公式サイトより http://www.tbs.co.jp/anaie/

 原作は今から24年前に発表された山本文緒の小説。’03年には斉藤由貴主演で単発ドラマ化され、’17年には舞台にもなっています。  主人公は真弓(中谷美紀)と秀明(玉木宏)の佐藤夫妻。彼らには一人娘の麗奈(桜田ひより)がおり、彼女の中学入学をきっかけに、はからずも二人はお互いの関係について見つめ直す事態に直面します。  そのきっかけとなるのが、綾子(木村多江)と太郎(ユースケ・サンタマリア)の茄子田夫妻。二世帯住宅を建てたい太郎は妻・綾子と訪れた展示場で、住宅販売会社の営業マンである秀明と知り合います。そして秀明と綾子は互いに惹かれ合い、第1話のラストで枕を交わしてしまいます。
 主演の中谷美紀をはじめ、いずれ劣らぬ演技派の俳優が勢ぞろいですが、中でも太郎役を演じるユースケ・サンタマリアの存在感が抜群です。単なる亭主関白とは違い、なかなか本心が見えない不気味な夫を非常に上手く演じており、これから先のストーリーでもどんな演技を見せてくれるのか注目です。

夫婦間のリアリティーあふれる会話にも注目

 この作品の一番のポイントは、夫婦の間で交わされるリアリティーあふれる会話です。  自分に都合の悪い話や興味のない話に対し、首を傾けてコキッと鳴らし、勝手に切り替えようとする秀明。言ってることはもっともだけど、相手に反論する余地を与えず一方的に感情をぶつけてしまう真弓。妻をまるで家政婦のように扱いつつも、その行動が常に気になる太郎。そんな夫に黙って従っているようで、大胆な行動に出る勇気は持ち合わせている綾子。  夫婦とはいえ、もともと他人同士である以上、価値観の相違は当たり前です。今作には、夫婦生活を営んだことのある人ならどこかひとつは思い当たる、さまざまな「すれ違い」が絶妙なスパイスとして散りばめられています。スタッフは今回のドラマを作るにあたり100人以上の女性にアンケートを行ったそうですが、今後、劇中に彼女たちの本音がどれだけ反映されるかが楽しみです。  もう一つ忘れてはいけないのは、そんな夫婦の齟齬から生じたスキマに入り込む「不倫」という罠です。  我慢できずに体を重ねてしまった以上、最終的には落とし前をつけることになると思いますが、不倫がこれだけ取りざたされる現代において、その結末をどう描くのかは大いに気になります。
『ホリデイラブ』(’18年)

『ホリデイラブ』(’18年)テレビ朝日公式サイトより http://www.tv-asahi.co.jp/holidaylove/

 古くは『金曜日の妻たちへ』(’83年)、最近では『ホリデイラブ』(’18年)など、これまでたくさんのドラマで扱われてきた「不倫」。秀明と綾子の関係は厳密には「ダブル不倫」に該当しますが、筆者が取材したことのある識者によれば「ダブル不倫が最も長期化しやすい」という見方も。とはいえ、それぞれに家庭もあり、今回はさすがに「不倫もやむなし」的な着地は難しいとは思います。  はたしてどんな決着を迎えるのか、それとも決着せず、見る人に審判を委ねるのかーー。「夫」「妻」「既婚者」「独身」、それぞれの胸中にさまざまな想いが突きつけられるドラマになることは間違いないでしょう。 ―注目!2018春ドラマ― <TEXT/中村裕一( Twitter:@Yuichitter)> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
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