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ユニクロ、欧米ではイマイチ…330億円の知名度アップ作戦に世界がビックリ

 今や日本国内よりも海外の方が店舗数・売上ともに上回っているというユニクロは、『フォーチュン Fortune』によるとH&M、ZARAに次ぐ、世界第3位規模のファッションブランドです。

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 中国やアジア圏で好調なのはよく知られていることですが、では、欧米ではどうなのでしょうか? 今日は、特に筆者の住んでいるアメリカを中心に、同ブランドがどういう立ち位置なのか?どれだけ人気があるのか? を探ってみたいと思います。

「ユニクロなんて知らなくて当然」と米メディア

 今年4月時点で米国での店舗数は47と、中国の497、韓国の178には及びませんが、欧米の中では一番多い出店数(フランスは15、イタリアは0)。  ニューヨークに行けば5番街の真ん中に大きな路面店がありますし、ロサンゼルスやサンフランシスコ、シカゴ、ボストンなど主要都市は網羅しています。

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 それでも、H&Mの546店舗に比べると断然少なく、ZARAの67店舗にも届かず、実はアメリカ人のユニクロ認知度はいまひとつ。  昨年末には、位置情報アプリを開発する「フォースクエア」のデータをもとに発表された「州別最も人気のあるチェーン」で、ユニクロがフロリダ州とイリノイ州のトップに選ばれていましたが……。  この結果に対し、フロリダのローカルメディア『オーランド ウィークリー Orland Weekly』が、「わが州で一番人気の店がユニクロ? そもそも皆さん、ユニクロがなんの店だか知っていますか? え? 知らない。それも当然。だって州内に1店舗しかないのだから」と、正直過ぎる意見を掲載。日本人として口惜しい思いをしたものでした。

「他ブランドと比べて高め」「シンプル過ぎる」の声も

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 実際に、周囲のアメリカ人にユニクロについて意見を聞いてみました。  すると、「ヒートテックが大好きで毎年買い足している」「質が良い。10年前に買ったカーディガンはガンガン乾燥機にかけてもヘタレないし、色あせもしない」という好意的な意見もある反面、「他のカジュアルブランドに比べて高いイメージ」「下着以外はシンプルなデザイン過ぎて買う気がしない」という意見も。  また、同時に「なにそれ?知らない」という声が多いのも事実。  所詮、ユニクロを知っている人は、①店舗がある都市に住んでいる ②ファッション業界やメディア業界に勤めている ③おそろしく流行に敏感 ④日本人と結婚している・つきあっている ⑤日本にかつて住んでいたまたは行ったことがある、のいずれかの条件に当てはまる人だけ。  でなければ、アメリカ人に同ブランドのことを聞いても、「知らない」という答えが帰ってくることが多いと言わざるを得ないでしょう。

人気テニス選手とスポンサー契約で知名度アップ狙う

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 ここらでガツンと知名度アップを狙ったのか、ユニクロは今年からスイス人の人気テニスプレーヤー、ロジャー・フェデラー(36)とスポンサー契約を結びました。  今年3月に20年間のナイキとのスポンサー契約を終了したフェデラーが、「次はどこに乗り換えるのか?」はかねてから注目されていたこと。7月2日のウィンブルドンの初戦時、フェデラーがユニクロのユニフォームを着てコートに現れたことで、世界にサプライズ発表した形となりました。  このニュースは『ニューヨーク・タイムズ The New York Times』にも取り上げられ、ヨーロッパ出身のトップアスリートが欧米のスポーツメーカーではなく、“日本のファストファッション・ブランド”を選んだことが大々的に報じられました。ESPNなど米メディアの報道では、10年契約で契約金は3億ドル(約330億円)とか。  果たしてフェデラー効果でどれだけ欧米での知名度を上げることが出来るのか? ユニクロの今後の米国での展開を見守りたいと思います。 Sources 「Fortune」http://fortune.com/2017/10/12/uniqlo-clothing-global/ 「New York Times」https://www.nytimes.com/2018/07/02/sports/roger-federer-wimbledon.html 「Orland Weekly」 https://www.orlandoweekly.com/Blogs/archives/2017/12/27/uniqlo-is-floridas-most-popular-store-says-an-incredibly-dumb-business-insider-article <TEXT/アメリカ在住・橘エコ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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