
「社会にいいこと」に特化したクラウドファンディングサービスGoodMorning 該当ページより https://camp-fire.jp/projects/view/24873
東大名誉教授の曽祖父を持つ「お嬢様芸人」のたかまつななは、2017年3月に『CAMPFIRE』で当時在学していた東京大学大学院と慶應大学大学院の学費を募りました。
たかまつによれば資金調達の理由を「お笑い芸人の活動を理由に、親から資金の援助を断られ、資金が底をついたため」とし「若者と政治をつなぐ架け橋になります!大学院で勉強させてください!」と呼びかけました。
これに対し「お嬢様芸人なのになぜ?」「大学院に通わなくても架け橋になることはできる」と議論が巻き起こりますが、その後143万2901円の資金調達に成功します。
そのおよそ8ヶ月後の2017年11月にたかまつがNHKにディレクター職で内定したことが報じられると(現在はNHK勤務)、この時のクラウドファンディングの目的からして「支援者への裏切りなのでは?」という声が噴出。「私の中では1本軸が通っていると思うのですが、そう思わせられなかったら、本当に申し訳ないです」とブログでコメントしました。

群衆(crowd)から資金集め(funding)ができる、日本最大のクラウドファンディング・プラットフォームCAMPFIRE、該当ページより https://camp-fire.jp/projects/view/49414
主なものをご紹介してきましたが、これ以外にも学生結婚したブロガーが、妻の出産費用を募ろうと『CAMPFIRE』で企画を「下書き」として公開した段階で批判が殺到(結果的に『CAMPFIRE』の審査が通らず)。また、
お騒がせタレント泰葉がクラウドファンディングで300万円を目標に出資者を募りましたが約17万円しか集まらず、リターンとして約束していたCDも制作されず返金もされずで、出資者が激怒する騒ぎになりました。
クラウドファンディングでの炎上に共通する特徴として、下記の3つに大別されるのではないでしょうか?
・「自分でそれくらい稼げるのではないか」「自身の金でやるべき」と批判される、つまり資金を募る事そのものの説得力を欠いたもの
・社会貢献といいながらも、つまるところ私利私欲が透けて見えるもの
・偽善、自己正当化を感じさせるもの
寄付したいと思う人の善意が前提として成り立っているクラウドファンディング。だからこそ、その内容については十分な議論が今後も必要とされそうです。
<文/瀧戸詠未>