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セックスレスと更年期障害に関係が…今からできる対策を医師に聞く

知っているようで知らない「更年期」 Vol.3】  更年期に関するさまざまな疑問を取り上げる本特集。今回のテーマは気になる「性と更年期障害の関係」です。更年期障害は、年を重ねたカップルが抱えるセックスレスの問題にも関与しているのでしょうか?  前回、前々回に引き続き、いけした女性クリニック銀座・院長の池下育子先生に教えてもらいました(以下、コメントは全て池下先生)。
池下育子先生

池下育子先生

セックスレスは更年期障害を重くする1つの要因

セックスレスと更年期障害に直接的な関係はありません。もし因果関係があるとしたら、性交未経験の女性は閉経後、100%更年期障害にかかることになってしまいます。実際、私の病院にいらっしゃる患者様の中には性交未経験で更年期障害知らずの女性もたくさんいます。 ただし、セックスレスは更年期障害を重くする1つの要因ではあります。セックスに限らず“幸せホルモン”と呼ばれる脳内で作り出されるセロトニンが充分に分泌される行為をしていると、更年期障害が軽く済む可能性があるからです。セロトニンには精神を安定させる、良質な睡眠へと導く、内臓の働きや代謝を活発にするなどの効果があると言われています」 幸せなセックスをしている人は更年期障害にはなりづらい つまり、幸せなセックスをしている人は更年期障害にはなりづらい、と言えるそう。 「個人的な印象ですが、パートナーと心地いいスタンスで向き合っている女性は、年齢よりもイキイキしているように見えます。セックスレスは更年期障害を重くする一因ではありますが、パートナーと性交していなくても2人の絆が楽しく過ごしていればOK。セロトニンは分泌されます」  ということは、更年期障害を遠ざけるため“だけ”のセックスは無意味ということですね。 「性器の結合がダイレクトに女性ホルモン(エストロゲン)値をアップさせるわけではありません。 ・セックスが好きではないのにパートナーの要求に応じる ・自分はしたいと思っているのにパートナーが受け入れてくれない ・夫婦関係がギクシャクしている  など、セックスに限らずパートナーと上手くコミュニケーションが図れていないなどの問題を抱えていると、更年期障害は重くなる傾向があります」 コミュニケーションが取れないと更年期障害は重くなる傾向が 更年期障害は女性なら避けられないステージだと捉えられがちですが、経験せずに女性の最終ライフステージである老年期に入る女性は実在するのでしょうか。 「患者様の中には自覚症状なしに更年期世代(※)を乗り越える人が大勢います。『更年期障害の症状はどうでしたか?』と聞くとそろって、『なかったような気がします』と答えるのです。更年期世代を楽に乗り切ることができたのは、きちんと対策を施していたからです」 ※性成熟期である30代後半から閉経までの移行期間。
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更年期障害への対策とは?
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