「昔は35歳から更年期」「PMSは更年期障害の予行演習」…意外と知らない更年期のこと
【知っているようで知らない「更年期」 Vol.1】
女性なら避けては通れない更年期。更年期障害に対する知識不足から、必要以上に更年期に対して恐怖感を抱いている人も多いのではないでしょうか。
そこで、いけした女性クリニック銀座で院長を務める池下育子先生に、更年期と更年期障害についてお話を伺いました(以下、コメントは全て池下先生)。
まずは更年期、閉経、更年期障害に関する基礎知識から。
「女性のライフステージは小児期・思春期・性成熟期・更年期・老年期と5つに大別されます。女性の体は一生を通じて卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けていますが、その分泌量はライフステージによって大きく変化します。
女性ホルモンの分泌量がピークを過ぎ、卵巣機能が少しずつ低下する性成熟期である40代半ばから閉経までの移行期間を『更年期世代』と呼びます。卵巣機能が低下しはじめるのは人により年齢が異なるため、厳密に何歳からとは決まっていませんが、平均出産年齢が今より早かった昔は、35歳以降を『更年期世代』と呼んでいたこともあります」
えぇ!? 35歳で更年期世代と呼ばれていたなんて、かなりショック!
「今は働く女性が増えて30代後半以降に出産するケースも珍しくないため、35歳以降を『更年期世代』と定義するのは酷ですよね。ただ、該当する年齢だからといって妊娠できないというわけではありません」とのこと。ちょっとひと安心。
では、卵巣機能低下のサインはどのように現れるのでしょうか。人によって症状が異なるけれど、以下が挙げられるそう。
・生理の量が減ってきた
・生理が今までとは少し変わってきた(1週間続いていた生理が3日で終わる、痛みがひどくなってきた、あるいは軽くなった)
・以前よりPMS(月経前症候群)がひどくなった
・生理周期が乱れるようになった
・無月経が続く
「もちろん、全員の女性がこれらの症状を発症するわけではありません。自覚症状がないまま突然40歳で閉経を迎える人もいますし、50歳まで毎月生理があったのに突然止まり、脳のホルモン値を検査したら更年期レベルにはなっていなかった、ストレスから止まっているだけ、という例もあります」
ちなみに、更年期=閉経と思っている人は多いと思いますが、その二つはイコールではないそう。
「更年期中に閉経を迎えるわけですが、閉経後も更年期は続くのです。『更年期障害』とは閉経後、日常生活に支障をきたすほどフィジカルとメンタルな症状が出ることを指します」
更年期障害の初期症状には、以下のような特徴があるとのことです。
「フィジカルな症状としては、頭痛になることが増え、鎮痛剤を飲む回数が増えた、疲れやすい、眠れない、寝ても疲れが取れないなどが挙げられます。
メンタルな症状としてはイライラすることが増えた、落ち込みがひどくなった、前は受け流せたことが受け流せなくなってしまった、などです。
また、肌の状態が変わる人もいます。同じ基礎化粧品を使っても以前より乾燥している気がして、さらに保湿効果の高いワンランク上の化粧品に乗り換えようか迷っているのであれば、初期症状のサインかもしれません」
いつから「更年期」なの?
卵巣機能低下のサイン
「更年期障害」の初期症状
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