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縁結びの聖地・出雲の勾玉(まがたま)ブームが来る?女性や外国人にジワジワ人気

 今年9月5~7日、セレクトショップの「アッシュ・ペー・フランス」が主催するファッションとデザインの合同展示会「rooms EXPERIENCE(ルームス・エクスペリエンス)37」が開催されました。  そこで話題になったのが、こちらのビジュアルです。実は、勾玉(まがたま)をモチーフにデザインされているんです。 勾玉デザイン3色上は青メノウや赤メノウの勾玉、丸玉・管玉をイメージしつつ、ポップなデザインに仕上がっています。かわいい~~!  下は勾玉が製作される過程をイラスト化したものだそうで、ストレートなメッセージ性が感じられます。 勾玉デザイン

若い女性や外国人に注目される勾玉モチーフ

 最近は若い女性や外国人たちの間で勾玉が注目され始めています。今回の勾玉のビジュアルを企画した株式会社めのやの代表取締役社長・新宮寛人さんは「若い世代に勾玉を広めるためにも、まずはモチーフとしての勾玉に注目してほしいですね」と語っています。  世界的に有名なペイズリー柄のように、勾玉のビジュアルが広まることで、勾玉に興味を持つ人がさらに増えることでしょう。そんな、ネクストブームの予感がする勾玉について、詳しくご紹介します。
赤めのう

赤めのうの勾玉(めのやオンラインショップより)

勾玉の産地、出雲は縁結びの聖地!

 勾玉は日本神話で“三種の神器”として登場するほど、古い歴史を持っています。島根県、出雲地方の玉造温泉という地名は“勾玉をつくる場所”という意味なのだそう。この玉造温泉で1901年に創業した株式会社めのやは、117年間ずっと勾玉をつくり続けています。現在、勾玉をつくれる職人は全国になんと5人しかいなくて、全員が同社の人だとか。  そこで社長の新宮さんに出雲や勾玉の魅力について、たっぷり語っていただきました。
出雲大社本殿

出雲大社本殿

「出雲は日本神話の舞台で、日本酒から結婚式まで、あらゆるモノ・コトの発祥の地です。大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)を祀る出雲大社は、日本屈指の格式の高い神社としてご存知の方も多いでしょう。  旧暦10月が“神無月(かんなづき)”と呼ばれているのは、この時期に全国の神様が出雲に集まるからです。出雲地方では逆に“神在月(かみありづき)”と呼ばれ、出雲大社では神迎祭、神在祭、神等去出祭が行われるんです」
稲佐の浜

出雲の「稲佐の浜」

 出雲地方は恋活・婚活女子の聖地としても知られています。出雲はなぜ縁結びの地として有名なのでしょうか? 「神在月に日本全国から神様が集まるのは、縁結びの会議を行うためだといわれています。縁結びには恋愛成就や結婚のイメージがありますが、恋愛だけでなく、人間関係や仕事関係など、あらゆるご縁を結ぶことを意味します」  神在月には出雲大社で「縁結大祭」(2018年は11月17日~24日)が行われ、全国から良縁を願う人たちが数千人集まります。実は女子SPA!でも昨年、参列してレポートを掲載しましたが、9割がた女性で圧巻でしたよ。

気軽に、勾玉をファッションに取り入れたい

 古来から神々が集う場所として信仰されてきた出雲。この地で生産される勾玉も、昔からお守りとして大切にされてきました。
勾玉ピアス

勾玉ピアス(めのやオンラインショップより)

「出雲地方には“えすこ”という方言があり、『いい感じ』といった意味があります。弊社は“日々の暮らしをもっと愉しく、もっとえすこに”をモットーに勾玉づくりを行っています。勾玉がもたらす彩りで、毎日がえすこになればいいなと思うのです」  勾玉は日本の伝統工芸品の源であると同時に、魔除けや権力の象徴でもあり、様々なところに献上されているそう。だからといって、勾玉を堅苦しく考えるのではなく、「ファッション感覚で気軽に取り入れてほしい」と語る新宮さん。
手作りブレスレット

めのやの材料を使って手作りした勾玉と天然石のブレスレット

 冒頭で紹介した、アッシュ・ペー・フランスとコラボレーションした勾玉のビジュアルも、その思いから誕生したといいます。  今回『rooms』に出展したことで、新鋭デザイナーたちがインスピレーションを受けて、今後は勾玉をモチーフにした作品がどんどん誕生するかもしれません。勾玉柄のアパレルや雑貨などが登場したら面白そうですね。スマホの待ち受けが勾玉モチーフだったら、それだけで気分が上がりそうです♪  最初は見た目のデザインから入った人も、勾玉の真の価値がわかるほどに、ハマってしまいそうな予感です。  そして、最近はジャパンブームで出雲を訪れる外国人が増え、神秘的な勾玉をお土産に買っていく人も多いのだとか。
ラピスラズリ

ラピスラズリの勾玉(めのやオンラインショップより)

勾玉を身につけていた女性のエピソード

 ちなみに、恋愛・婚活研究所主宰の「にらさわあきこ」さんは何度も出雲を訪れているそうで、著書『婚活の神様!』でこんなエピソードを紹介しています。 「婚活女子と2人で出雲大社などを回ったのですが、その後、彼女はみごと意中の男性と結婚できたんです。  彼女は出雲大社近くで、勾玉のストラップや因幡の白ウサギをモチーフにしたストラップを買って帰り、それらを見るたびに『清らかな気持ちになって、穏やかな人になれた気がする』と言っていました。そういう心の変化も、縁結びにはよさそうですよね」(にらさわさん)  めのやでは勾玉を使ったオリジナルアクセサリーを多数販売しているので、ぜひチェックしてみてください(オンラインショップもあり)。
めのや社長

めのやの新宮社長

<文/RISA>
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