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がんはなぜできる?みんなの誤解に苦しむがん患者達

 今年になって、有名人のがんによる訃報が相次ぎました。漫画家のさくらももこさん、女優の樹木希林さん、格闘家の山本徳郁さんの他界のニュースは、大きく報じられ話題を集めました。

「SWITCH Vol.34 No.6 樹木希林といっしょ。」

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 そんな中、気になるのが、がんにかかった原因を患者の日頃の行いと結びつける物言いです。例えば、日本禁煙学会はヘビースモーカーであったさくらももこさんについて、「これはタバコと乳がんとの関連をまったくご存じなかったとしか思えません」とサイトに記載し、患者団体から批判の声があがり、のち削除しました。

 このような議論がたびたび起きますが、実際のところ、がんと日常の慣習や遺伝はどれくらい関係しているのでしょうか。

 アメリカ在住のがん研究者である大須賀覚博士(米国エモリー大学ウィンシップ癌研究所)は、自身のブログで「患者の過去の行いが悪かったからではありません」と答えています。ご本人の了承をいただき、ブログ投稿をご紹介します。(以下、大須賀博士の文章です)

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 がんはどうしてできるのでしょうか?化学物質などの暴露が原因?がん患者さんが何か過去に悪いことをしたことが原因?それともただの偶然?皆さんがよく抱く疑問について、がん研究者として答えたいと思います。

がんができる3つの主要因


女性ヘルスケア がんがなぜできるのかというのには色々な議論がありますが、すでにたくさんのことが分かってきています。がんが発生するには、大きく分けて3つの要因が関わっています。

 1つは、異常な遺伝子を親から引き継いだことで起こる遺伝的要因。2つ目は、ヒトが生きている間に行われる細胞分裂で偶然にできてしまう偶発的要因。3つ目は、タバコを吸ったり、特定のウイルスに感染して起こる後天的な環境要因

 皆さんよくご存知なのは、1つ目と3つ目になるかと思います。多くの人は「うちはがん家系だから」とか、「運動しなかったからだとか」そういうことをいう人が多いです。実際のところは、その3つはどの程度関わっているのでしょうか?

3大要因のどれが重要なのか?


 科学雑誌のScienceで発表された研究論文(※1)の図を引用して、それぞれ3つがどの程度関わっているかをまず説明したいと思います。この研究では、数学的な解析によって、男性・女性の各種がんの発生に対して、それぞれ3つがどの程度関わっているかを計算しています。実際の研究手法などの解説は省かせてもらいますが、結論は以下の図のようになります。たった一つの研究結果ですので、これをもって絶対ですとはいえませんが、この結論はがん研究者が理解している現実と概(おおむ)ね一致しますので、この図を代表的な結果として説明に利用します。

 まず、女性の場合です。

⇒【図】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=880333

女性の場合 この図の意味は、それぞれの3つの要因が各臓器のがんに、どの程度関わっているのかを色で示しています。左の図が遺伝的要因との関係、中央が偶発的要因、右が環境要因です。赤くなっているものほど、その因子が強く関わっているという意味です。

 それぞれの略語の意味は、B, 脳腫瘍; Bl, 膀胱癌; Br, 乳癌; C, 子宮頸癌; CR, 大腸・直腸癌; E, 食道癌; HN, 頭頸部癌; K, 腎臓癌; Li, 肝臓癌; Lk, 白血病; Lu, 肺癌; M, メラノーマ; NHL, 非ホジキンリンパ腫; O, 卵巣癌; P, 膵臓癌; S, 胃癌; Th, 甲状腺癌; U, 子宮体癌 です。例えば、一番上のBとなっている脳腫瘍は、真ん中のみが真っ赤です。つまり、ほぼ100%が偶発的要因で起こるという解釈になります。

 男性の場合も載せておきます。

⇒【図】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=880336

男性の場合 B, 脳腫瘍; Bl, 膀胱癌; CR, 大腸・直腸癌; E, 食道癌; HN, 頭頸部癌; K, 腎臓癌; Li, 肝臓癌; Lk, 白血病; Lu, 肺癌; M, メラノーマ; NHL, 非ホジキンリンパ腫; P, 膵臓癌; Pr, 前立腺癌; S, 胃癌; T, 精巣癌; Th, 甲状腺癌. です。

ほとんどのがんは“偶発的要因”で起こる


 上の二つの図を見てもらうと、男女ともほとんどの癌で、真ん中にある偶発的要因が大きな原因だということがわかります。真ん中の図がほとんどのがんで真っ赤になっています。

 人の体にはたくさんの細胞があって、それは増殖を繰り返しながら、正常な環境を維持しています。その細胞増殖を繰り返す際に、たまたま遺伝子異常が入ることがあり、がんの種となる細胞ができます。その異常細胞は普段は免疫細胞に処理されたりして増えないのですが、なんらかの要因でどんどんと増殖してしまうことがあり、それがほとんどのがんの原因となっているということです。

 がんは高齢者に多いことが知られています。この理由も偶発的要因が関わっています。高齢になるほどに、細胞分裂に伴う異常を引き起こす頻度が上がります。また、免疫機構などの機能も徐々に低下していきます。そのために、高齢になると偶然にがんができてしまう確率が上がることになります。

 これは偶然に起こるもので、患者さんが何かしたというものではないことがほとんどです。

遺伝的要因は少ない


親子 一般の方は、「うちはがん家系だからなった」という勘違いをしています。実は、今回の図で見てもらうとわかるように、家族性でなる癌というのはとても少ないです。上の図で少し赤くなっている部分の、女性の乳癌の一部(BRCA変異)、あとは家族性大腸癌などの大腸がんの一部で見られるくらいです。

 これ以外のがんでもあるはあるのですが、とても頻度は少ないです。ほとんどの方のがんは家族的な遺伝で起こっているわけではありません。両親に責任はありませんので、理由なく恨んだりしないでいただきたいです

 おそらく、勘違いする原因の一つは、がんの発生頻度を正しく理解していないことです。がんの発生頻度は2人に1人が生涯のうちでなるほどに高いです。そのため、実は親族に何人もがん患者がいることは、決して珍しくないのですが、異常に高いと勘違いすることから来ているのではと思います。

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生活習慣が原因で起こるがんは何%?

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