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中絶を拒否され死亡…悲劇の31歳女性に、ハリポタ女優が誓ったこと

「ハリー・ポッター」シリーズで愛らしいハーマイオニー役を演じた元子役のエマ・ワトソン。いまではすっかり大人の女性に成長し、女性の権利向上のために活動するフェミニスト女優として知られている。昨年には、雑誌に掲載されたノーブラ写真が炎上、「フェミニストを名乗っておいて、体を見世物にするとは何事か!?」と批判されるも、バッサリ見事に切ってみせた。  どんな批判を受けても、女性のために前進し続けるエマ。このたび、中絶を拒否されて亡くなった女性にオープンレターをしたためた。
エマ・ワトソン

エマ・ワトソン

 2012年、妊娠17週目だったアイルランドのサヴィタ・ハラッパナヴァー博士は、流産に伴う体調不良で病院に搬送されたが中絶を認められず、敗血症により31歳の若さで息を引き取った。  変革をもたらした女性たちを特集した『ポーター・マガジン』に掲載されたハラッパナヴァー博士の功績を称える寄稿の中で、エマはこう綴っている。 「あなたは何かの運動の象徴になりたいなんて思っていなかったことでしょう。ただ自分の命を救う手立てを望んでいたはずです。あなたが亡くなったというニュースが2012年に流れた時、アイルランドの活動家による緊急対策を求める声は世界中に響き渡りました。憲法修正第8条の無効を求める声です」 「社会的不公正が原因による悲劇的な死が何度も起こるたびに、私たちの地元や世界中のコミュニティ全体がその死を嘆き、追悼し、集結し、宣言します。社会的に問題が解決されない限り、安らかに眠れないと。死者への約束として、そして社会への警笛として詠唱します。2度起こさないと」
 ハラッパナヴァー博士の死は、アイルランドの政治家を動かした。  厳格なローマカトリック教徒が国民の大多数を占めるアイルランドだが、ハラッパナヴァー博士が死去した1年後の2013年、母体の命が危険にさらされた場合は、医師による人工流産を可能とさせる法案が通過。同国で初めて人工妊娠中絶の一部が合法化された。  さらに今年5月、人工中絶を認めるか否かを問う国民投票が行われた。国民投票で問われたのは、妊娠中の子供を母親と同様に保護することを目的に、人工中絶を違法と定めた1982年の憲法修正第8条を廃止するかどうか。投票の結果、廃止賛成派が66.4%の圧倒的多数となった。  この結果を受け、アイルランドでは年内にも妊娠中絶を認める新法が制定されるという。  女性の地位向上のために国連で積極的に活動するほか、昨年には500万ポンド(約7億4000万円)を男女平等と女性の権利活動のために個人的に寄付したエマ。ハラッパナヴァー博士の死について、インスタグラムでこうコメントしている。
「ダブリンの墓標にはこう書いてあります。『あなたが眠ることで、私たちは目が覚めた』と。生存している女性よりも、生まれてくる子供の命を尊重したあの憲法修正第8条は、1つの国家への警鐘となりました。あなたや、安全で合法的な中絶を求めてイギリスまで行かざるを得なかった女性たち全てにとって、これはやっと手に入れた正義でした」 「アルゼンチンからポーランドまで、中絶を制限する法律が、少女や女性、妊婦を罰し、命を危険に晒しています。北アイルランドの中絶法はまだ存在しています。あなたの名のもと、そして私たちの解放に向けて、リプロダクティヴ・ジャスティス(性と生殖の公正さ)のために戦い続けます」 「新しい法律は、運動の象徴となることを望んでいたのではなく、ただ自分の命を救う方法を望んでいた女性をリスペクトした活動家から、すでに『サヴィタ法』とも呼ばれています」  
 胸見せ写真では「反フェミニスト」だと非難されたエマ。批判に対し「多くの人がフェミニズムの意味をはき違えている。フェミニズムというのは女性に選択肢を与えること」と反論した。  批判にも臆することなく、厳しい立場に置かれている女性たちのために、スター女優が行動し、発言することの意義は大きい。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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