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「生産性がない」だけじゃない、杉田水脈のトンデモ発言歴ワースト3

同和差別なんて、もう終わってる

「もう在日も同和も琉球民族もアイヌ民族も、極端な人権侵害や差別があるとは感じられない。それなのに海外には流布されているのです。同和差別なんて、もう終わっているでしょう? だって私、同和地区出身者が差別されたというところを見たことがないんですよ」  これは、杉田氏と自称文芸評論家・小川榮太郎氏との対談を本にした『民主主義の敵』から杉田氏の発言を抜粋したものです。ちなみに小川氏は新潮45の10月号で彼女を擁護する文章を寄稿しています。
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 彼女は元市役所職員という経験から「おれは同和やねんから雇わんかい」といった利権を主張する逆差別は存在する一方で、すでに同和などへの差別はほとんどないなどと主張しています。  同和問題に対しては日本全体でみれば、差別意識が少なくなっているのかもしれません。しかし彼女が市役所職員を務めていた兵庫県西宮市と同じ関西地方の京都市の崇仁地区に住む人たちは長年差別と戦ってきました。  2018年2月に放送された関西テレビで放送された番組では、崇仁地区に住む女性が「『あいつはあそこ(崇仁地区)のもんやから、なにをするか分からない』と(職場で言われた)」と語っています。  在日コリアン問題にしても、日々ヘイトがインターネットを中心にまき散らされ、罪もない生徒が勉強している朝鮮学校の前でヘイトデモが開かれることもあります。  国会議員でありながら、こうした一般の人の目にも触れている事象に気づかず、「極端な人権侵害や差別があるとは思えない」と発言するのは、視野の狭さ、不勉強が過ぎるのではないでしょうか。  彼女はマイノリティーが国や自治体に対して権利主張する逆差別が発生しているとも言っていますが、これは生活保護を不正受給している人がいるから生活保護をなくすべきだ、という議論に似ています。  たしかにそうやって権利を主張する人、不正受給する人に問題はあるのでしょう。もちろん改善策をうつべきですが、だからといって、差別について国連に問題提起してはいけない、生活保護をなくすべきだ、とはならないはずです。これでは本当に困っている人に対する弱いものいじめでしかありません。

それでも自民党は注意しただけ

 新潮45の寄稿について、自民党は「問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」と指導しただけ。杉田氏は今は静かにしているようですが、しばらくしたらひょっこり表舞台に戻っている姿が想像できます。  仮にも彼女は昨年の衆議院選挙比例中国ブロックで、比例単独候補の中では最上位です。それだけ、自民党が彼女のことを押しているとも見ることができます。  さて、中国地方の有権者はどれほど杉田氏の問題発言を知っていたのでしょうか。何も考えずに投票用紙に自民党と書いたら、彼女が当選してしまった――そんなことはなかったのでしょうか。 <文/森聖児>
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