台風が来ると頭が痛い、ダルい、眠い…「気象病」の原因と改善法
立て続けに大型台風が訪れたこの秋。台風の前後に、頭が痛い、体がダルい、眠気がすごい、といった症状に悩まされた人はいませんか?
これらの症状には「気象病」と呼ばれるものの一部です。なぜこのような症状がでるのか、気象病について長年研究する愛知医科大学医学部の客員教授で中部大学教授の佐藤純先生に聞きました。
そもそも気象病が起こる原因はなんなのでしょうか。
「気象病の要因の一つは温度の変化です。春や秋など、季節の変わり目で起きやすいのはそのためです。でも、一番影響するのは、気圧の変化。だから、雨や急激な気圧の変化を起こす台風の前後に症状が出やすいんです。
台風の『前後』であるのは、気圧が下がる時に調子が悪くなる人、上がる時に調子が悪くなる人がいるからです。気圧がさがる前に調子が悪くなる人は、気圧がさがる1、2日前ぐらいから異変を感じたりします」(佐藤先生、以下同)
中でも一番影響力があるのが秋の台風。
「台風は春、夏、秋にありますが、秋は偏西風にのってスピードが速いうえ、秋雨前線も伴っているため、気圧の変化が強烈なんです。春や夏の台風に比べて秋台風は症状がひどい、という人も多いです」
人によっては、遥か遠くで台風ができただけでも感じることがあるそう。いったい、どのくらいの気圧の変化で症状が出るのでしょう。
「通常の1013ヘクトパスカルから1006ヘクトパスカルまで下がると症状が出るという統計もあるそうですが、私が実際に診てきた経験では一概には言えません」
気象病の中でも多い症状が、頭痛。なぜ気圧の変化で頭痛が起こるのでしょうか?
「そもそも、不定愁訴(※)は天気の影響を受けやすいのですが、気圧の変化による頭痛は偏頭痛持ちの人に起こりやすい傾向があります。およそ偏頭痛持ちの20~30%が気圧の変化で頭痛が生じるとの報告があります。
そして、偏頭痛は男性よりも女性に多い。全体の有病率は8.4%程度ですが、女性は30代と40代に多く、20%弱の人が偏頭痛を患っています」
※頭痛・いらいら・疲労感・不眠など漠然とした不快感を伴う、原因不明の自覚症状。
女性に偏頭痛が多い理由は、そもそも女性ホルモンの変化も頭痛の原因となるから。だから、生理前や生理中に偏頭痛が出やすいんだそう。
また、気象病の中でも体がダルくなると感じるのも、ホルモンが関わっているそう。
「気圧の影響によって自律神経のバランスが崩れて、副交感神経が優位になるとホルモンにも影響が出てしまい、ダルさを感じたり、むくみが生じたりします」
では、眠くなるのもホルモンが関係しているのでしょうか。
「眠気を感じるのは、自律神経の乱れのほか、偏頭痛も関係しています。偏頭痛の症状には実は、眠気も含まれているんです。頭が痛くなる前はあくびがおきやすかったりします」
遥か遠くで台風ができただけで感じる人がいる
女性は気象病の中でも頭痛になりやすい
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