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LGBTにもネトウヨはいる。当事者たちの「新潮45」論争…能町みね子&サムソン高橋が迫る

サムソン高橋×能町みね子「新潮45」対談 vol.3>

「新潮45」8月号の杉田水脈衆議院議員の寄稿と、彼女を擁護する「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」という10月号の特集。

「新潮45」の公式サイトを見ると、謝罪はおろか、「休刊のお知らせ」すらもなく、大問題となった小川氏の記事が掲載された最新号(そして最終号になった)にかける編集長の意気込みが掲載されたままです(2018/10/17現在)。

サムソン高橋さんと能町みね子さん

左から、サムソン高橋さんと能町みね子さん

 LGBT当事者でもある、ゲイライターのサムソン高橋さんと、出生時の性を男性から変えた女性のマンガ家・エッセイストの能町みね子さん。契約結婚を前提に夫婦(仮)として生活中のおふたりに、この騒動についてうかがった対談もいよいよ最終回。

 新潮社の振る舞いのダサさ、杉田水脈議員の寄稿文のトンデモぶりを指摘した前回に続き、今回はLGBT当事者たちの様々な意見について語ります!

LGBT当事者たちも一枚岩ではない


サムソン高橋(以下、サムソン):あと、この号(10月号)の唯一の良心といわれている、松浦大悟さん(2007年の参院選で初当選し一期務めた。2017年衆院選で落選後ゲイであることをカミングアウト)。彼の記事は読みました?

サムソン高橋さん能町みね子(以下、能町):読んだ。松浦さんはわりとまともだったよね。

サムソン:「新潮45」は、明らかに、論争を起こして世の中をよくしようとしてこの10月号を仕掛けたわけではないじゃないですか。8月号に載った水脈の記事で「水脈」を見つけただけで(笑)、そこでもういっちょうやらかしてやろうという意図でやった特集だから、松浦さんという当事者の記事が免罪符として使われたみたいで、やだなーって思ってさ。だから、それにわざわざ乗った松浦さんも甘いなと思うんですけどね。

能町:松浦さんの記事は、何から何までよかったわけではないんだけど、知らないことも書いてくれていて面白かったというのもありますね。たとえば、「国際レズビアン・ゲイ協会が、国連に加盟させてもらうために、これまで共に活動してきた米国少年愛者団体を切り捨てた」なんて知らなくて、すごく興味深かった。

――松浦氏のほかにも、杉田氏の主張に賛同するLGBT当事者も一定数いるようです。

能町:そういう人たちは、いわゆるLGBT運動家が嫌いなんだと思うんですよね。LGBT当事者たちが集まって一緒になってやってる、「いい子ちゃん」ぶってる感じが苦手だから逆張りしてるみたいなところがあるんじゃないかな。

新潮45 2018年10月号

「特別企画 そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」が掲載された『新潮45 2018年10月号』

サムソン:松浦さんの文章は当たり前のことが書いてあるだけだからまあ個人的には特筆する点はそんなになかった感じで。まあレベルの低い人たち向けに当たり前のことを言うってのは必要だと思うので、そんな面倒くさいことをしてるのは偉いと思う。

あと松浦さんは2016年の衆院選で落選しちゃったから、今回の件でちょっと仕事が増えたのは、良かったねと思う(笑)。あ、松浦さんの記事で特筆すべき箇所が一点だけあった!「生まれてから48年間、一度も人と付き合ったことがありません」ってとこですよ! どれだけモテないんだと好感度爆上がりですよ!

能町:こっちのほうがカミングアウトですよ。よく言ったなと思って。

――衆院選で落選後にカミングアウトされたようですね。

能町:私、ゲイのカミングアウトより、48年間彼氏がいなかったというカミングアウトのほうがパンチがあるなと思いました。

松浦さんがそうだとは言わないし、私はゲイカルチャーをそんなに知らないけど、ゲイのなかでも、仲間とか彼氏に恵まれていい感じでやってるゲイに対して、全然うまくいってないねたみが鬱積して、ネトウヨ的なところにいくゲイの人も絶対多いと思っていて。

今回の騒動で注目されたとあるゲイの人のTwitterアカウントがあったんですが、必死で杉田氏を擁護してて、「これに反発してるゲイのほうがおかしい」みたいなことをずっと冷笑的につぶやいていて、その人にも、そういう傾向を感じた。ゲイカルチャーのなかであんまりうまくいかなくて、彼氏や仲間もうまく作れず、コミュニティにも入れなくて鬱積している不満が、日本国家にすり寄ることで満たされるという構図があるのかもしれない

能町みね子さんサムソン:そう考えていくと、典型的なネトウヨといえるよね。あ、松浦大悟さんのことじゃないですよ。

能町:ですね。ゲイだろうがゲイじゃなかろうが、色んなことに対する不満をどこに持っていくかは人によるけど、国家や「日本人であることの誇り」にすりよることで充足感を持つ人もいる、という構造はあるんじゃないですかね。

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Campy!bar アイコン●Campy!bar ASOBi
女装パフォーマー/ライターのブルボンヌ氏がプロデュースするミックスバー。
日替わりキャストとしてサムソン高橋氏も店に立つ。(現在は月曜担当。変更の可能性あり)
新宿区新宿2-10-7 TOMビルB1FA
TEL:03-3354-6066
詳細はtwitterアカウント @Campy_bar

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