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父の浮気を20年以上疑い続け、ギブアップした母。親の離婚に娘が思うこと

不倫された人の気持ち、分かりますか?――vol.5 親の不倫を知った「子」その3>
仲良し家族

写真はイメージです(以下同じ)

 夫婦の問題は、家族の在り方に大きく影響します。ときとして子どもの心に大きな傷を残してしまうことも。父親の過去の不倫がきっかけで、家族がバラバラになってしまったという徳永弥生さん(仮名・37歳)が、当時と今の気持ちを語ってくれました。

母の猜疑心(さいぎしん)で家族がバラバラに

――当時のご家庭の様子を教えてください。 「父は社交的でアクティブな人で、母はそんな父が大好きなんだろうなって子どもにもわかるくらい、父にべったりな人でした。けんかも絶えない夫婦でしたが、幼いころからいろいろなところへ連れて行ってくれたし、いつも家族一緒で、特に父にはすごく愛されて育った実感があります。  ただ、3歳上の姉が大学の近くでひとり暮らしを始めて、私も高校生になってバイトや塾で家にいる時間が少なくなったころから、少しずつ変わっていったように感じます」 ――どのような変化があったのですか? 両親の喧嘩一言でいうと、家族がバラバラになっていきました。すごく覚えているのは、私が高1の秋ころに、両親が大げんかをしていたこと。ケンカの原因はよくわかりませんが、週末に父が趣味仲間と出掛けることや、それにかかるお金のことを母が責めていて、父はすぐ感情的になる母の態度を非難していました。  このころの母は、毎日イライラしていて、父の行動すべてに文句をつけていたんです。私に八つ当たりすることも増え、家の中はギスギスしていましたね。あとから知ったことですが、父は私が生まれる前に不倫をしたことがあったらしく、家族で過ごす時間が減ったことで、母は再び不倫を疑っていたようです」 ――お父様の過去の不倫を知った経緯と、そのときの気持ちを教えてください。 「両親は、私が高校を卒業した直後に離婚したのですが、その報告の際に母から聞きました。『もう疑う生活に疲れちゃった』って。娘が言うのも変ですが、父はモテるタイプだと思うので、心配する母の気持ちもわからなくはなかったのですが、私の知っている父はとても家族に尽くしていたから、どうして父を信じてあげられなかったんだろうとは思いました。  それに、そのころの母の態度は父を嫌っているようにしか見えなかったので、不倫の取り越し苦労をするほどまだ父を好きだったことにも驚きました。だからこそ、母が父の改心を認めていたら、ずっと仲良しな家族のままでいられたかもしれないのになって、ちょっと恨めしく思ったことを覚えています」
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夫婦の信頼がわからなくなって、家族に虚無感を覚えた
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