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オリーブオイル「エキストラバージン」でもマズいものがあるのはなぜ?

 一昔前に「美味しくて健康に良い」と話題になり、今やすっかり身近な油となった「オリーブオイル」。中でも「エキストラバージン」と言われるオイルが、最高の品質として知られていますよね。 オリーブオイル しかし、同じ「エキストラバージン」という名のオリーブオイルの中でも、味や品質にかなりの差があるということが問題になっています。お高いオイルを買って、ハズレを引くなんて避けたいところ。美味しいオイルは、どうやって見分けたら良いのでしょうか?  そこで今回は2回にわたり、オリーブオイル事情に詳しい管理栄養士の長谷川茉美さんに「本物のオリーブオイル」についてお話を伺います。

日本で「エキストラバージン」に当たりハズレがある理由

――そもそも、オリーブオイルと、「エキストラバージン・オリーブオイル」の違いは何ですか? 長谷川茉美さん(以下、長谷川)「オリーブ果実を搾ってろ過しただけの、化学処理を一切せずに抽出したオイルを『バージン・オリーブオイル』といい、中でも香りや風味ともに最高品質なものを『エキストラバージン・オリーブオイル』と定義しています。 一方で、『(ピュア)オリーブオイル』とは、バージンオリーブオイルと精製したオリーブオイルをブレンドし風味付けしたもので、その配合比はさまざまです」 ――「エキストラバージン・オリーブオイルなら、どれを選んでも美味しい」と思っていたのですが、そうでもないみたいです。一体なぜなのでしょう? 料理にオリーブオイル長谷川「その理由は、オリーブオイルの品質基準が世界と日本では異なるからですね。オリーブオイルの国際品質基準には、国際オリーブ協会(IOC)によるIOC規格が代表的です。世界の主要なオリーブ生産国がIOCに加盟しているのに対し、日本は加盟していません。日本はJAS規格(日本農林規格)という独自の基準を設け、オリーブオイルを販売しています。  しかし、JAS規格には『オリーブ油』と『精製オリーブ油』の2区分しかなく、そもそも『エキストラバージン・オリーブオイル』に関する規格基準すら存在しないのです」 ――国際的なIOC規格と日本のJAS規格、具体的にはどう違うのですか? イタリア長谷川「IOC規格とJAS規格の決定的な違いは『酸度』です。IOC規格では、エキストラバージン・オリーブオイルは酸度0.8%以下です。IOC規格としては不合格でも、日本で販売する場合はJAS規格に準じて、酸度2.0%以下であればエキストラバージン・オリーブオイルと名乗って販売できてしまうのです。これが、(世界的な基準で見たときに)“偽物のオリーブオイルがある”と言われる理由です。  注意すべきは、海外の粗悪な商品を、日本の流通においては法的に取り締まることができないケースがあり得るということです。消費者である私たちが、本当に品質が良いオリーブオイルを見分けるためには、信頼できる製造・販売元であるか、何よりも国際基準をクリアしているかどうかを判断することが重要です」 ――お店で買うときに、パッケージやラベルのどこを見れば美味しいオリーブオイルが選べるのでしょう? 長谷川「オリーブオイルを買う時のポイントはいくつかありますが、お店でチェックできるものとしては次の4つです」

ハズさないオリーブオイルの選び方(お店編)

1. 遮光性のある色付きビン  オリーブオイルにとって光は大敵です。酸化が進み、鮮度が低下していきます。ビンは無色透明のものではなく、遮光性の色付きビンを選びましょう。ちなみに、オリーブオイル自体の緑色の濃さは品質と関係がありません。 オリーブオイルの選び方2. 価格が安すぎないこと  本当に高品質なエキストラバージン・オリーブオイルで、値段が格安なものはあり得ないと言っても過言ではありません。大容量で数百円というのは、疑ったほうがいいでしょう。 3. 酸度が0.8%以下であること  酸度は鮮度を示す数値で、低いほど高品質です。国際基準である0.8%以下のものを選びましょう。残念ながら、酸度は表示義務がありません。ボトルを手に取って、酸度の表記があるかチェックしてみてください。英語表記ならacidやacidity、イタリア語ならacidità、スペイン語ならacidez、ギリシャ語ならoxýtitaという表記が、小さく書いてある場合があります。
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最後の1つは「ラベル」に注目!
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