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毒親になる側も不幸… 虐待を生きのびた『母さんがどんなに僕を嫌いでも』原作者は語る

 心身ともに子供を傷つける母親とそれでも愛情を求め続ける息子の、20年以上にわたる関係を描いた映画『母さんがどんなに僕を嫌いでも』。

母さんがどんなに僕を嫌いでも

「母さんがどんなに僕を嫌いでも」Facebookページより https://www.facebook.com/pg/hahabokumovie

“虐待する母”という覚悟がいるであろう役にもかかわらず、「役を受けることに一切ためらいはなかった」と言う吉田羊さんの熱演や、傷ついても母と向き合い続ける息子・タイジ役の太賀さんの誠実な役作りもあり、映画を見た人々の感動の輪がいま静かに広がっています。

 幼い頃から、母にののしられ、殴られ、施設に預けられ…地獄のような日々で、心身を傷つけられるだけでなく自尊心をうばわれて育ったタイジ。大人になった彼は、素晴らしい友人たちに出会うことで、生きていくことへの自信を取り戻し、母と向き合います。

 どんなに母親から拒絶されても、あきらめなかった彼の勇気は大きくふたりの人生を変え奇跡を導くことに…。



 映画では、予告編にもある「あんたなんか産まなきゃよかった!」と叫びながら包丁を振り回す母のシーンをはじめとした壮絶な状況が描かれます。これらはフィクションではなく、原作である同名のコミックエッセイに描かれた、作者の歌川たいじさんの実体験です。その歌川さんから、メッセージをいただきました。

(以下、歌川たいじさんの寄稿です)

児童虐待サバイバーの原作者から「子供を虐待しない親でいるには」


 女子SPA!をお読みの皆さま、こんにちは。作家でまんが家の、歌川たいじと申します。四十歳を過ぎてから絵を描けもしないのにまんが家になり、最近では小説も書いております。

 6年ほど前、「児童虐待サバイバーであるご自身の体験を描いてみませんか」というオファーを受けて、「母さんがどんなに僕を嫌いでも」というコミックエッセイを出版しましたところ、思いのほか大きな反響をいただきまして、このたび、映画化される運びとなりました。

歌川 たいじ 「新版 母さんがどんなに僕を嫌いでも」KADOKAWA

歌川 たいじ 「新版 母さんがどんなに僕を嫌いでも」KADOKAWA

 今回はそんな私が、女子SPA!読者の皆さまに「子供を虐待しない親でいるには」をテーマに、所感を書かせていただきます。

「母親が苦労する社会」が虐待につながる?


 2017年に警察が児童相談所に通告した18歳未満の子供への虐待は、5万件を超えました。昨今、耳を塞ぎたくなるような児童虐待のニュースが、耳に飛び込んでくることが多々あります。当然、虐待を犯した親は世間から激しく非難されます。「ひどい親だ!」「重罪にしろ!」そんな声が、ネットのあちこちから涌き出るのを、皆さんも目にしたことがあるのではないでしょうか。

 子供を虐待してはいけないということは、誰でもわかっていることです。それなのに、なぜ、痛ましい事件が起きてしまうのでしょうか。

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「毒親」にならないためにできること

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