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「ト、トイレがない…」海外旅行で大ピンチになった女性の教訓

 最近はお正月を海外で過ごす人も増えていますが、なかでも女子にとって悩みのタネが海外のトイレ事情の悪さ。
トイレ

写真はイメージです(以下同じ)

 日本人観光客が訪れるような場所であれば、用を足すのもためらうほど汚いというのは滅多にありませんが、問題はトイレの数が少ないことです。

真冬のパレード見物中、トイレに行きたくても近くにない!

 旅行でイギリスを訪れた大崎亜美さん(仮名・29歳/コールセンター)も正月のロンドンでトイレを求めてさまよった嫌な思い出があります。 「ロンドンでは毎年1月1日、ニューイヤーパレードという大規模な仮装行列が風物詩になっていて、これを見るのが旅の大きな目的でした。  パレード自体はすごく素敵で、とっても満足できましたが、現地は日中でも気温10度以下。ずっと外にいたので途中でトイレに行きたくなってしまったんです」  極力トイレに行かないで済むように前日から水分を控えていたそうですが、それでも我慢できなくなったとか。しかし、ここから亜美さん苦難は始まります。 ロンドン イギリス「近くにいた警備員にトイレの場所を聞くと、教えられたのはハイドパークという大きな公園の敷地内にあるトイレ。歩いたら軽く10分はかかりそうなほど離れていました」  もっと近くにないのか別の警備員にも尋ねても同じ公園のトイレに行けと言われたため、諦めてそこに向かうことにしたとか。

トイレは有料。でも、小銭の持ち合わせが……

 ところが、この日はパレードにより周辺の道路は交通規制が敷かれており、公園に向かうのも遠回りを余儀なくされます。15分ほどかかってなんとか着きましたが、このハイドパークは東京ドーム約30個分の広さ。あまりに広すぎるため、トイレを探しているうちに公園内で道に迷ってしまったとか。 「すでに限界が刻一刻と迫っている危機的状況でした。トイレっぽい建物があったと思ったら売店だし、なかなか見つけられなくて最悪の事態を覚悟していました」 イギリス、ロンドン、ハイドパーク ジョギング中の男性に教えてもらい、なんとかたどり着くことができましたが、そこは有料トイレ。運が悪いことに亜美さんはお札しか持っておらず、小銭を持っていませんでした。 「トイレの入場ゲートの前で焦っていたら年配の女性の方が『どうしたの? ひょっとして小銭がないの?』と声をかけてきて、私の代わりに払ってくれたんです。何度も頭を下げてお礼を言い、ホッとしてトイレに入ったのですが大行列ができていたんです」

ようやくトイレに入るも順番待ちの大行列

 一難去ってまた一難とは、まさにこのこと。順番が来るのを待っていたら確実に間に合わないと思ったため、「すみません、漏れそうなんです!」と大きな声で叫んだそうです。 「普段だったら恥ずかしくて絶対に口にできませんけど、そんなことを気にしている余裕すらありませんでした」 イギリスでトイレがない! 並んでいたイギリスの女性たちは順番を譲ってくれて、間一髪のところでセーフ。トイレの個室から出ると、並んでいた恰幅(かっぷく)のいいご婦人が「お嬢ちゃん、間に合って良かったわね!」と笑顔で声をかけてきたそうです。 「私のことを“お嬢ちゃん”と言っていたので、高校生くらいにカン違いしていたから余計に親切だったのかも。でも、トイレの利用料を払ってくれたり、順番を譲ってくれたのも私が逆の立場なら正直できないかもしれません。それを思うと親切にしてくれたイギリスの女性には感謝しかありません」  特にヨーロッパはこれからも春先の卒業旅行シーズンやゴールデンウィークに訪れる人も多いと思います。  しかし、観光地でも博物館や美術館などの施設はともかく、街にはトイレが少ないので散策中は要注意。旅先でトイレ難民にならないようにくれぐれも注意しましょう。 ―シリーズ「年末年始のトンデモエピソード」― <文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ>
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