数週間後、行きつけのバーで美香さんと呑みを楽しんでいた時、彼女が恥ずかしそうに
「実はね、昨夜ついに一線を超えてしまったの(照)」と言います。
え? 一線? いつの間にイイ感じの人いたのね~。
「違うの春日局(『新章イケメン大奥』のキャラ)と(ポッ)」
ゲームのキャラ相手に「ポッ」ってなってんじゃないわ~! もう美香さん本当にヤバイって。分かった。私ができる限りのイケメンを集めるから、現実の男に目を向けて!
「え? 本当? 春日局みたいなドSなイケメンがいいな~」
そのリクエストはスルーしつつも、私は自分のあらゆるツテを使い、イケメンを見つくろって合コンを開催し、彼女を招待しました。
広告代理店の友人に「若くても彼女いてもいいから、とにかくイケメンを!」とお願いしただけあって、その合コンはまさにイケメンパラダイス♪ 彼女もご満悦な様子。
ですが、合コンでは鉄板の“好きなタイプ”の質問で、彼女は目をキラキラさせて
「強引でドSなんだけど、言葉少なくても本当は優しくて、時に情熱的に求めてきてくれる人」と、のたまい一同ポカーンと「・・・・・」状態に。
それって……推しキャラクター・春日局のことだろ~!
春日局『新章イケメン大奥◆禁じられた恋』より https://ikemen.cybird.ne.jp/title/shinooku/chara/kasuganotsubone.html
イケメンを引き合わせれば、現実に戻ってきてくれるなんて甘かった。合コン後に彼女から来たLINEは「今日はみんなイケメンだったけどチヤホヤもしてくれないし、ちょっとね」だと。
「ゲームと違って、初対面でチヤホヤしてくれるイケメン男子がどこの現実世界にいるんじゃ!」
とノドまで出かけた言葉を飲み込んだ私。もう強制的に引き戻そうとするのはやめよう。きっと彼女は幸せなんだ。と距離を置いたところ、彼女はすぐに帰ってきました。
というのも、『イケメン大奥』に費やした課金とパケット代で支払いが月10万円を超え、光熱費すら払えなくなり、生活が危うくなっていたようです。
「このままだと電気止めるって連絡が来てね。さすがに目が覚めたわ(汗)」
……あれから数年経った今、彼女は、イケメンとはいえないですが、リアル彼氏とラブラブです。そんな彼女にまたイケメンゲームやりたいか聞いたところ。
「パケ・ホーダイにしたからまた『イケメン大奥』再開しちゃった(笑)。彼には内緒!」
イケメンゲームはズブズブにハマる甘~い危険のあるゲームのようですね(筆者もやってみましたが面白かったですよ)。
(※編集部注:ということで、ゲーム好きでも別に不幸にはならないので、周りの方はどうぞお気遣いなく)
―私の「お金の失敗」vol.1―
<文/白戸ミフル>
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