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遠藤憲一の“おじさん×温泉”ドラマに癒される…。おじさん×柴犬ドラマも登場

『バイプレイヤーズ』(テレビ東京)シリーズや、おっさん同士の純愛を描いた『おっさんずラブ』(テレビ朝日)の大ヒットにより、「おじさんドラマ」の需要が高まっている昨今。

 実力派のおじさん役者が出るだけでも満足する視聴者は多いのに、さらに欲張りな要素を盛り込んだ「おじさん×〇〇=癒し」を狙ったドラマが今クールは目立ちます。

おじさんたち×姫『メゾン・ド・ポリス』


メゾン・ド・ポリス

『メゾン・ド・ポリス』公式サイトより

 一つは、新人刑事・牧野ひより(高畑充希)を、シェアハウスに住むリタイアした警察関係者のフワフワ可愛いおじさんたちが取り囲む『メゾン・ド・ポリス』(TBS系、金曜夜10時~)。これは「おじさんたち×姫」の「白雪姫」フォーメーションによる癒しの構図です。

おじさんたち×柴犬『柴公園』


 もう一つは、役者人生20周年にして連ドラ初主演の渋川清彦と、ドロンズ石本、大西信満の「おっさん3人×柴犬3匹×公園」を軸とした連続ドラマ&映画の『柴公園』(1月よりテレビ神奈川ほか全10局以上で放送、映画は6月14日公開)。

 こちらは、「タワーマンションに越してきた新参者」「柴犬を飼っている」共通点だけで、互いの愛犬の名前は知っていても飼い主の名前は知らないユルイつながりのおじさんたちが、ベンチに座り、まったりどうでも良いおしゃべりをする会話劇です。



 このおじさんたちのおしゃべりのくだらなさもジワジワくるおかしさですが、所々、そんな会話が頭に入ってこないほど、足元にいる柴犬たちの様子が気になってしまいます。
 おじさんたちの長話の間、ボーッとしていたり、立ち上がりそうな気配を敏感に察して尻尾を振ったり、結局動かないままと知ると、飽きて隣の犬にちょっかいを出したり。ようやくおしゃべりが終わって移動するときの「待ってました」感にも、尻を振りながら歩くいじらしい姿にも、癒されてしまいます。

『さすらい温泉 遠藤憲一』は癒しの永久装置


 そしてもう一つは『さすらい温泉 遠藤憲一』(テレビ東京、水曜深夜1時35分~)です。1月クールのドラマでは、遠藤憲一が『私のおじさん~WATAOJI』(テレビ朝日系、金曜夜11時15分~)で妖精役を演じていますが、個人的には“わたおじ”よりも、こちらの作品推し。

『さすらい温泉 遠藤憲一』ポスタービジュアル (C)「さすらい温泉 遠藤憲一」製作委員会

『さすらい温泉 遠藤憲一』ポスタービジュアル (C)「さすらい温泉 遠藤憲一」製作委員会

『さすらい温泉』は、遠藤憲一が突然、役者を引退し、素性を隠して全国各地の温泉宿で仲居を務める様子を取材するという設定のドキュメンタリードラマです。

 第一回で「取材」を装う冒頭のやりとりを見たときは、『ガキの使いやあらへんで』での恒例企画、山崎邦正(現・月亭方正)が番組を卒業する→「山ちゃんやめへんで~」の流れに似たコント臭を感じました。狙いすぎじゃないかとも思いました。

 しかし、そこはさすが、おじさんバイプレイヤードラマを十八番とし、エンケンの主演連ドラ『湯けむりスナイパー』を手掛けた経験もあるテレビ東京。コワモテのエンケンが仲居の装いをして、情緒ある温泉街にたたずむ姿の絵になること! さらに毎回、ともさかりえ、山口紗弥加などの女優がゲスト出演し、入浴シーンも披露。小さな恋心→失恋という、安定感抜群の「男はつらいよ」展開を見せます。


 これは、「おじさん×温泉×美女入浴×寅さん=癒し」という、てんこ盛りの癒しドラマ。なんならエンケンだけ出演してもらえたら、温泉地を変え、ゲストを変えながら、半永久的に続けられそうなフォーマットを発明してしまいました。

 おじさんドラマは今、他の癒し要素との掛け算により、すでに次のステージに移行してきているようです。

<文/田幸和歌子>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】

田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など




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