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『後妻業』のように…お金持ちと“35歳差婚”した女性に悲劇の結末

 1月から始まった『後妻業』(フジテレビ系、火曜夜9時~)が、今夜第2話を迎えます。男性をたぶらかす魔性の女を木村佳乃が演じるこのドラマ、クセのある人物たちとのバトルの行く末は……!? 話題のドラマを、不倫事情や男女関係について長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)

映画版より「いかがわしさ」がマイルドなドラマ版

 直木賞作家・黒川博行のベストセラー小説を基に、大竹しのぶ、豊川悦司など豪華キャストで『後妻業の女』として映画化されたのが2016年。この映画の大竹しのぶはすごかった。 「武内小夜子、63歳、好きなことは読書と夜空を見上げること…わたし、尽くすタイプやと思います」  お見合いパーティで、純粋な瞳で資産家の老人を見つめつつ、おっとりとそう言って男を取り込み、後妻の座におさまって遺産を相続する天性の悪女。ベタベタの大阪弁で甘えるかと思えば、一転、凄みをきかせる女を演じたら、おそらく大竹しのぶの右に出る役者はいない。  彼女が演じた小夜子には罪悪感のかけらもなく、次から次へと男を騙していく。そこにある種のカタルシスさえ感じるほどだった。変幻自在の演技に引き込まれ、ブラックコメディの名をほしいままにした映画となった。とにかく「突き抜けた」感がハンパなかった。
映画『後妻業の女』

大竹しのぶ、豊川悦司が出演した映画版『後妻業の女』/DVD通常版(東宝)

 ドラマでは、その小夜子を45歳という設定にし、木村佳乃が演じている。小夜子と組んで割り前をはねる結婚相談所所長・柏木亨は、映画では豊川悦司だったがドラマでは高橋克典。映画でのコンビより「いかがわしさ」が減っている。  映画は2時間ほど。それを連続ドラマにするのだから、小夜子の突き抜けた存在感だけではもたないのだろう。小夜子と柏木の出会いなど、妙にしんみりしたシーンもある。登場人物それぞれに葛藤をもたせているのも長丁場を考えればやむを得ない。その分、映画で得られたスピード感はなくなっているのだが。  キャストを比べるのも酷な話。木村佳乃の軽い芝居やアヤシい大阪弁も一部で酷評されているようだが、これはこれとして楽しむのも悪くない。

薄幸の女王・木村多江とのバトルに期待

 木村演じる小夜子が狙って結婚した資産家の次女・朋美が、薄幸の女王・木村多江。彼女は東京で一級建築士として、事実婚の夫と事務所を共同経営している。どうやら子どもができにくい体質のようで、そこが彼女の憂(うれ)いにつながっている。朋美と小夜子は同い年。  夫が倒れて初めて娘たちに連絡した小夜子。驚いてやってきた朋美との間でバトルが始まるのだが、病院で罵り合うふたりに「吹っ切れた感」が不足しているせいか期待していたほどのおもしろさがない。第2話以降に期待だ。

実際に「後妻」となった、あるアラフォー女性の話

 このドラマを観ながら思い出したのは、かつて資産狙いで後妻になった知人のことだ。ずいぶん前のことだが、当時、彼女は40歳くらいだったか。35歳年上の男性とある日突然、結婚すると宣言。 「彼はお金持ちなの。私は貧乏で育ったから、お金のある生活をしたかった。結婚したら何でも好きなように買っていいと言われたの」 資産家との結婚 お金で愛が買えるのか、あなたは満足できるのか。いろいろ尋ねると彼女はしれっと言った。 「貧乏から愛は生まれないのよ。あのね、結婚してくださいって指輪を差し出されたとき、1万円の銀メッキと1000万円の指輪、どちらが愛があると思う? 1000万円の指輪をくれるということは、私にそれだけの価値があるということでしょ」  その言葉と彼女の妙に説得力ある口調は、今でも忘れられない。その後、私自身が結婚するときになぜか3万円の指輪を自分で買うはめになり、これは愛という規定からはずれた行為なのではなかろうかと真剣に考えたものだった。
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うまい話には裏がある? “後妻”に待ち受けていた現実
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