お医者さんがやってる“インフルエンザ予防法”。「休む勇気を持って」
日本全国で警報が出されたほどの大流行を見せているインフルエンザ。毎日多くのインフルエンザ患者と接しているドクターたちは、どのように自分の身を守っているのでしょうか?
前回、「家庭内感染の予防策について」ご解説いただいた池袋大谷クリニック院長の大谷義夫先生に、先生流のインフルエンザ予防法をお聞きしてみました。
――毎日多くの患者さんと接する先生は、どのようなインフルエンザ予防策を取られているのですか?
大谷義夫先生(以下、大谷)「常に心がけているのは、飛沫感染を防ぐために、患者さんの正面に座らないことです。とくに胸の音を聞くときは、大きく息を吸ったり吐いたりすることで咳込みやすいので、必ず患者さんの横から聴診器をあてるようにしています。背中側からあてるとより効果的なのですが、それだとコミュニケーションがとりづらいですからね」
――家庭でも応用できそうですね。
大谷「小さなお子様の場合は隔離できませんし、抱っこや食事の介助が必要なことも多いので、看病されるご家族が意識されるとよろしいかと思います。
会話をするときでも並んで座る、抱っこはお子様の顔が抱く人の肩から背後を向くように抱く、食事を介助するときは横並びに座って口に入れてあげるなど、どのようなシチュエーションでも応用できますね」
――そのほかの予防策はいかがでしょうか?
大谷「前回、手洗いやアルコール消毒が有効とお話しましたが、私も診察のたびに手をアルコールで15秒かけてしっかりと消毒しています。あと、緑茶に含まれるカテキンがインフルエンザ予防に効果的とのエビデンスがあるので、診察の合間に頻繁に飲むようにもしていますよ。
患者さん間の感染も防ぐ意味では、抗菌作用が1週間持続するという抗菌スプレーを、インフルエンザの患者さんの手が触れやすい場所に週1回散布した上で、患者さんが入れ替わるタイミングでドアノブなどの殺菌もおこなっています。
プライベートでも、毎日6時間以上の睡眠をとったり、ビタミンDの摂取をしたりと、エビデンスで効果が実証されていることは積極的におこなっています」
――ビタミンCではなくDなのですね。
大谷「ビタミンDは、インフルエンザ、風邪や肺炎など、呼吸器感染症の予防に効果があるとされています。鮭やマイタケなど食事からの摂取もできますが、関東で約20分、沖縄では約10分、北海道では70分ほどと少し長めに日光浴をすることでも生成されます。手だけでも効果があるので、手袋をせずに通勤するのもいいかもしれませんね」
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