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離婚で貧困に…45歳女性が生活保護でオリジン弁当の日々

 働く女性の活躍が重視される一方で、日本の女性の貧困化が深刻だ。国立社会保障・人口問題研究所によれば、単身女性の3人に1人が貧困(手取り月収-家賃=8万4999円以下)で、現役世代の多くで相対的貧困率(所得の中央値の半分を下回る人の割合)が男性を上回る。  そこには女性のライフスタイルと、労働市場における女性の扱いが乖離している点から女性の貧困を生む大きな要因となっているという。具体的にさまざまな理由で貧困生活を送る女性たちの生活を紹介していく。

カフェで働いても月収10万円。育児と両立できず精神疾患に

 キャリアの断絶、シングルマザー、非正規低賃金労働……女性が貧困に陥るすべての原因を背負ってしまったともいえるのが飯田由紀さん(仮名・45歳)だ。生活保護を受けながら、築40年の都内のアパートで一人暮らしをする彼女に話を聞いた。
生活保護

※写真はイメージです

「生まれ育った青森の短大を出て、しばらくは保険会社の営業として働いていました。でも、過干渉の両親との折り合いが悪く、当時付き合っていた男性の東京転勤に合わせて仕事も辞めて逃げるように上京し、結婚。娘にも恵まれ、10年は結婚生活を続けたのですが、女ぐせが悪く家にも帰ってこない夫に耐えられず、30歳で娘を連れて離婚しました」  ここから飯田さんの貧困人生が始まる。 「小学生の娘を育てながら、タリーズでアルバイトとして5年間働きました。10年間働いていなかったし、雇ってもらえるところもなかったから仕方ないんですが、子育てもあってフルタイムで働けず、月収は10万円。生活は厳しく、子育てとの両立で疲れ切って倒れてしまいました」

彼女が次に選んだ仕事は…

 追い詰められた彼女が次に選んだのは、割のいい風俗の仕事だ。 「4~5年は働き続けたんですが、今度は精神的にまいってしまって……。幻聴が聞こえるようになり病院に行ったら、急性精神病と診断。これ以上娘を育てながら働き続けるのは難しいと思い、娘は元夫のもとで暮らしてもらい、自分は生活保護の受給を決意しました」  受給額は12万9000円。家賃が4万9000円なので、生活費は8万円とカツカツだ。 「生活保護も4年目になるので、そろそろ自立しなきゃとは思うんですが、根を詰めて働くと病気が悪化してすぐ入院しちゃうんですよね……。服は近所の古着屋で500円で買えるし、食事は朝はパン、昼と夜はオリジン弁当で満足。オリジンはいいですよね。コンビニより安くておいしい」  唯一の趣味は占いの勉強。 「日中は家で占いのサイトを見たりして勉強しています。いつか占いの仕事で自立できるようになったらいいんだけど……」  先の見えない自分の未来だけは占おうにも占えない。 《ひと月の収支》 月収 12万9000円 家賃 4万9000円 食費 3万円 光熱費 7000円 通信費 1万円 日用品 2万円 その他 1万3000円 収支 プラマイゼロ円 ― [オンナの貧困]最前線 ―
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