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虐待される子をなぜ誰も救えなかった?養父に性的虐待され続けた内田春菊が語る

威圧的な父親に、大人も全員引っ込んでしまう

――そのような関係性でも、母親の影響力って大きかったでしょうか? 親の呪縛内田「そうですね。私はませていたので、母や育ての父親がおかしいと早い段階で気づけたのですが、母に泣きつかれたりすると、思いを行動に移せなくなりました。  16歳で家出したことがあり、駅で育ての父親に捕まったときもそうでしたね。あまりの騒ぎに保安室のようなところへ連れていかれたのですが、そこで育ての父親は、刑事に向かって『こいつは不良娘だから』って嘘のスピーチを始めたんです。それに母も同調していたので、頭にきて『あんたが何してるか言ってやろうか、ここで!』と叫んだら、母が『やめて、それを言ったらおしまいよ』って私にすがったんですよ。今なら母親のメロドラマって笑えるし、躊躇(ちゅうちょ)せず言いますけど、そのときは言えなくなってしまいました」 ――そのとき、刑事たちは? 内田「私たちを囲んでいた刑事は、恐らく『こいつらなんかヤバいぞ』って気づいていたはずですが、何も言いませんでしたね。どう見ても何かしている感じなのに、私を家に帰らせました。今とは時代背景が違うからということもありますけど」 ――今なら問題になりそうですね。とはいえ、今回の事件でも児童相談所や学校の対応などが問題視されていましたね。 威圧的な態度内田「それぞれの立場もあるでしょうけれど、人間対人間ですからね。なんとかできるときとできないときとがあると思います。今回の事件では、父親の威圧的な態度に教育委員会が屈したと問題になっていましたが、私のときも、やはり育ての父親の剣幕に周りの大人たちは全員引っ込みましたよ」 ――どのような感じだったのですか? 内田「17歳で家を出た後に、街でばったり育ての父親に出くわして捕まったんです。私は周りにいた人たちに『助けて!』『この人はお父さんじゃありません!』って、楳図かずお先生のマンガに出てくるみたいな形相で、本気で助けを求めたんです。  当時勤めていたスナックの強面のマスターが『こんなに怖がっているのはおかしい』『この子に何かしているんじゃないのか?』と詰め寄ってくれたりもしたのですが、『よその家庭のことに口を出すな!』という育ての父親の圧に、結局みんな引っ込んでしまいました。私が助けを求めていても、誰も110番すらしてくれなかったんです。今回の件も、誰かが別の部屋から通報していたら……と思いましたけど、そんな隙もないほど威圧的だったのかなって感じました」  経験者だからこそわかる虐待の一面。そのような経験を持ちながらも4人のお子さんを育ててきた内田さんは、母親になったとき、過去とどのように向き合ったのでしょうか?  次回は内田さんの子育てを中心にお聞きしていきたいと思います。 <取材・文/千葉こころ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。
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