思えば顔面がコンプレックスだらけだった中高生時代。非モテだとかブスだとかの自虐で笑える文化もまだなくて、目が小さいことすなわち死だった頃に、目のまわりを黒く塗っちゃえばそもそもの顔の造りが分かんなくなるっていうのはすごい発見であり希望だった。マスカラを重ねた数だけ強くなれた。
私の希望。私の人権。私のアイデンティティであるアイメイクを、流行に合わせて便利にやめたり変えたりするなんて、高校生時代の自分に申し訳が立たないよね!?
思えば子どもの頃に見かけたバブル引きずりおばさんも、そんな仁義を通していたのではないのでしょうか。と、ゼロ年代引きずりおばさんは思いました。
<文・絵/峰なゆか>