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有名下着ブランドのエンジェルに抜擢された黒人モデル。差別を乗り越え夢つかむまで

「きみに合う衣装が見つからないから、もう帰っていいとデザイナーに言われた」「誰も私のヘアを担当してくれず、バックステージで泣いた」  過去にこんなつらい経験を告白していた、トップモデルのレオミー・アンダーソン。イギリス・ロンドンの出身だが、ジャマイカの血を引いているレオミーは、黒人モデルとして様々な不当な扱いを受けてきたという。
 スカウトにより、10代でモデル活動を開始したレオミー。カルヴァン・クライン、ジョルジョ・アルマーニ、ラルフローレンといったハイブランドでモデルを務め、2015年にはあの高級下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(以下、VS)」のショーにも出演した。  このように、人気モデルとして活躍してきたレオミーだが、決して順風満帆ではなく、ひどい差別も経験。そんなファッション業界における人種差別の実態について、以前から暴露してきた。  2017年には、人種的な理由で出演予定だったファッションショーが突如、出演キャンセルになったことをツイッターで告白した。レオミーによると、フィッティングのため並んでいたら「きみに合う衣装がないので帰っていい」といきなり言われたという。  さらにひどいことに「黒人モデルは1人でじゅうぶん。それ以上は起用するつもりはない」とデザイナーから告げられたのだという。レオミーはブランド名など具体的なことは明かしていないが、おそらく別の有色人種のモデルが起用されたことにより、出演キャンセルになったのではないかとのこと。  そのほかにも、レオミーの肌の色や髪をうまく扱えるプロがおらず、誰もヘアやメイクを担当してくれる人がいなくて舞台裏で泣いたことも。だがこれはほんの一例で、ファッションショーという華やかな舞台裏で、そうしたつらい経験をしたことは多々あったようだ。

差別と闘ってきた黒人モデル、ついに夢をつかむ!

 そんなファッション業界のなかで苦闘してきたレオミーが、今年ついに夢をかなえた。VSのエンジェルに抜擢(ばってき)されたのだ。
 レオミーは、VSエンジェルに抜擢された瞬間をこう振り返っていた。 「その日の仕事は本当にうまく行かなかったのね。で、家に帰ろうとしていた時エージェントからメッセージがあって『何でそんな急いでいるの?』って思ったのよ。家に着くと、予約係がそこに立っていた。私は『何か悪いことが起きる。きっと契約が終わるのね』って思ったの」  その後状況を把握したレオミーは、泣いてそのニュースを喜んだという。 「冗談かと思ったの。でも本当だって聞いたら、涙が出てきたわ。そして皆で祝ったのよ。まだその瞬間を忘れてはいない。11年モデルをやってきて、遂に大きな契約を手に入れたのよ。それも、これまで楽しく一緒に仕事をしてきてた人々との契約よ! 夢がかなったの」  VSのエンジェルといえば、トップモデルの登竜門。あのミランダ・カージゼル・ブンチェンといったスーパーモデルも務めていた栄えある広告塔である。レオミーはその一員となったのだ。

若い女性たちのために発信を続けたい

 エンジェルに加入することも決まり、トップモデルの仲間入りを果たしたレオミー。一方で、デザイナーとしての顔も持っている。  そんなレオミーが今回、デザイナーとしての才能を発揮。ブランドデザインを一新したVSの人気ブラコレクション「インクレディブル」を発表した。
 快適さ重視でデザインされた、ヌーディからパステル、黒までと幅広いカラー展開の同コレクションを地元ロンドンで発表した。
 デザイナーとして、2017年には若い女性向けのファッションブランドを立ち上げたレイミー。これは、単に服を販売するだけでなく、女性のための情報を積極的に配信する、女性支援も目的として始められたものだ。  人種差別と必死に闘いながら夢をかなえたレイミーが発信するメッセージは、若い女性にとって大きな希望になることだろう。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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