路上占いの日時は不定期で、事前もしくは当日に卯野さんがTwitterで大まかな場所を告知。先着5~6人を見ることが多いそうです。お世辞抜きでズバッと鑑定したいため料金は無料。卯野さんは今まで2000人以上を占ってきました。
そしてこの日一番にやって来たのは、転職を繰り返しているという男性。「仕事を続けるにはどうすればいいか?」という問いに卯野さんは?
「手の張りはその人の持つエネルギーを表します。彼を見ると、先天運を示す左手の方がふっくらしていて、後天運を表す右手のほうが張りが弱い。つまり、本来持っているエネルギーをきちんと使えていないってこと。働くのが嫌だとかではなくて、本人に向いていない職業についていたのでは?」
卯野さんの言葉にハッと目を見張る男性。
「切れ切れの運命線はいわば“飽き性線”。新しもの好きで好奇心旺盛、興味の幅が広いから、ルーティーンワークは向いていないですね。それよりも新しいものを見つけたり、変化に富んだ職業のほうが合っています。条件よりもご自身の趣味趣向を軸に仕事を探すとうまくいきやすいですよ」
さらに男性の手相にははっきりとした“インド人線”が。卯野さんは「よき家庭人になるので、早めに結婚した方がいい」とアドバイス。たとえば共働きのフリーライターも合っているそう。……あると思います!
続く女性は30代半ば・独身。「自分にはどんな仕事が向いているか」と訊ねたところ、「今年一年は仕事よりも本気で婚活した方がいい」と卯野さんから予想外のアドバイスが!
「運命線が35歳あたりで切り替わっていて、ちょうど人生の転機が訪れているところ。それに加えて結婚線が濃くなっているから、結婚したいのなら今が婚活のベストタイミング。先天運の左手は、感情線がくさり状になっている“恋愛下手”の相なのですが、後天運の右手の感情線はすっきりくっきり。ここぞというときの判断力も持っているはず」
ただし、これ以降は目立った結婚線がないため「この一年でご縁がなかったら、仕事にまい進したほうがいい」とも。まずは自分磨きからと、女性は帰りに美容院に行くことを決めたのでした。
路上占いではこの他にも“メンヘラ線”“空気読みま線”“余計なことしすぎ線”など、
書籍にも出てくるざんねんな手相がわんさか登場。
卯野さんは「
手相のいちばんの楽しみは変えられること」だと言います。手のひらに人生の可能性が秘められているとは、なんだか夢のある話。悩んだときは、両手を開いて、ざんねんな手相に相談しましょ!
<取材・文/中澤夕美恵>
【卯野たまご】
漫画家・手相家。1982年 兵庫県生まれ。小学生の頃から不登校で引きこもりになったが、 19歳のときにベテラン占い師に スカウトされて路上で手相占いを始める。すると、人間不信だった暮らしが一変し、 他人の人生に深く寄り添えるようになり、12年間の修業期間中に 2000人以上を無料で占った。現在、全国で手相講座を行い、 実践型の新しい手相の見方が大人気。
Twitter:@uno_tamago
【中澤夕美恵】
出版社の営業事務、編集プロダクション勤務を経て2002年よりフリーライターに。育児雑誌での執筆をメインに、ごりごりの企業タイアップ記事からライトノベルの編集まで無節操な仕事ぶりが身上。