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『わた定』『あな番』の中国・ベトナム人役に日本人俳優、ハリウッドなら即炎上?

人種間の歴史の問題、多数派が少数派を真似するのはアウト?

 では同じアジア人の中国人を、日本人が演じることについてはどうでしょうか?  ハリウッド映画やアメリカ製のドラマをよく観ている周囲の在米日本人に、『わたし、定時に帰ります。』の中国人や、『あなたの番です』の中国人・ベトナム人の扱いについて聞いてみると、こんな答えが返ってきました。 「長年アメリカでマイノリティとして生きてきて、日本人訛(なま)りの英語を理解してもらえなかったり、笑われたりして傷ついてきた私自身のコンプレックスの問題かもしれませんが、あの配役では笑えませんでした」(在米日本人・女性・45歳)
「『わた定』の女優さん、演技が上手いですよね。喋り方が父の再婚相手の中国人にそっくりで、最初は本物の中国の方だと信じていました。ただ、お金に細かいステレオタイプな中国人として描かれている点は残念だな、と。あれを日本人が演じていたとなると、差別的だと受け取る中国人もいるんじゃないでしょうか」(在米日本人・女性・35歳) 「アメリカの『ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則』というコメディドラマにインド訛(なま)りの英語で喋るキャラクターが出てくるんですが、ちゃんとインド出身の俳優が演じていました。白人がインド訛りのインド人を演じるなんて想像もできませんが、もしそんな演出だったら笑えなかったと思います」(在米日本人・男性・39歳)
 要するに、この問題はその地域における人種間の歴史によるところが大きいと思うのです。  昔からアメリカで差別的な扱いを受けてきた黒人などを白人がそれっぽく演じると、たちまち炎上してしまいます。が、その逆はさほど炎上せず、一般的に同等の扱いを受けている白人同士、例えばフランスなまりのアメリカ英語をアメリカ人が演じて笑いにしてもあまり問題視されません。つまり、多数派が少数派をイジると差別と受け取られるのです。  ひるがえって、日本における中国人は、昔から「中国人、嘘つかない」や「~あるよ」といったお決まりのフレーズを使ってコントのネタとされてきました。その歴史も手伝って、フラットな気持ちで見られない人が多いのかもしれません(海外で日本人が「メガネでチビで出っ歯」に描かれてきたのと同様ですね)。  実際に日本語も中国語も話せる在日華僑の女性(51歳)に聞いてみると、「日本での中国人描写にはもう慣れっこですが、多様化が進んでいるこの時代にあまりにも典型的な描き方をされているのを見ると、バカにされているようであまりいい気分はしません」とその微妙な心境を語ってくれました。  もしも逆の立場だったら? 中国が舞台の華流ドラマに登場する日本人を、中国人俳優が片言で演じて笑われていたら? なんとなく心がざわざわしませんか?  在留外国人が増えて人種がさらに多様化する日本で、ドラマ・映画での外国人役はその国の人をキャスティングする時代がきたのかもしれませんね(ハリウッドほど各国俳優がそろってないのが難点ですが…)。 Source:「Independent」 <文/橘エコ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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