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ガンと闘ってきた愛犬に迫る最期。寝ているだけで不安になる

16歳の愛犬を亡くした心理カウンセラーが考えるペットロス Vol.27>  心理カウンセラーの木附千晶さんは、16年一緒に暮らしたゴールデン・レトリーバー「ケフィ」を2017年1月に亡くしました。
かつての散歩コースをカートで回るケフィ

木附さんが16年間一緒に暮らした、ゴールデン・レトリーバーの「ケフィ」
かつての散歩コースをカートで

 ケフィはメニエール病などと闘い、最後は肝臓がんのために息を引き取ったのです。前後して3匹の猫も亡くし、木附さんは深刻なペットロスに陥ってしまいます。自分の体験を、心理カウンセラーとして見つめ、ペットロスについて考えます(以下、木附さんの寄稿)。 =====================  さらなるガン治療を選択したとしても延ばせた期間はごくわずかだったはずです。その短い時間のために、苦しい副作用と闘ってほしいとは思えませんでした。人間なら100歳を超えたケフィに、もうこれ以上の負担はかけたくはありませんでした。  苦しんでわずかな延命を図るより、なるべく穏やかに、最後まで美味しい物をいっぱい食べて、笑いながら人生を終えてほしいと思いました。できる限り楽しい思い出だけを持って、相棒だった愛猫・でんすけ(2015年没)のもとへと旅立ってほしかったのです。

生命力と天命に任せるしかない

「だからもう、これ以上のガン治療はしない」
お正月、神社にお参り ケフィ

お正月、神社にお参り

 その「決断」は今も間違っていなかったと思っています。与えられた選択肢のなかから最善の「判断」をし、「決断」したと信じてはいます。しかし、それでも愛しいケフィの命が消えて行くさまを見ているのは身を切られるようでした。ケフィの体から少しずつ命が流れ出て行こうしているのに、なす術を持たない自分……。それはとても耐え難いことでした。 「ある一線を越えると命は人の手を離れる」  たくさんの動物たちを見送ってきて、経験として分かっていたことです。それまでは「どうにかして」「あと少し」と回復を願って手を尽くすけれど、なぜか「ああ、もうこれで最期だ」と思う瞬間が、必ず訪れます。その子が持つ生命力と天命に任せるしかないときがやってきます。 「これ以上のガン治療はしない」と決めた私がケフィにやってあげられること。それはただそばにいて、声をかけたり、抱きしめたりして、死への恐怖を少しだけでも和らげてあげること。体を拭いたり、寝床を清潔に保ったりして、なるべく快適に過ごさせてあげること。ご飯やお水を飲めるようにしてできる限り楽な状態をつくってあげること。そのくらいしかもう、何もできることはありませんでした。

ジェットコースターに乗ってるよう

 ケフィと過ごした最後の2か月は、ジェットコースターに乗っているような日々でした。11月あたまに呼吸困難になっての夜間救急。一度回復するも、その10日後には激しい下痢と食欲不振が起きました。体力を消耗し、起き上がれなくなったケフィにあわてて後足ハーネスを注文しました。  下痢が止まってしばし食欲が回復し、介護ベストと後足ハーネスを装着して外に出たり、胸水を抜くと元気にそうになったのもつかの間。12月半ばには立ち上がれなくなり、おむつ生活になりました。胸水の溜まりも早くなって、1日起きに病院へ行く生活になりました。 食いしん坊健在なケフィ ケフィの荒い息づかいを聞くと「もう胸水が溜まったのでは」とはらはらし、静かに寝入っていると「永遠の眠りについたのではないか」と不安になりました。  私は、ケフィの横に布団を敷いて眠りました。仕事は極力減らし、できるだけケフィのそばにいるようにしました。ケフィとの時間が惜しかったし、「戻ってきたらケフィが冷たくなっているのではないか」と思うと、おちおち外出などしていられませんでした。
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刻一刻と進んでいくケフィの時間
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