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「自分よりハイスペックな男」を探す婚活はやめたほうがいい/ジェーン・スー×中野信子

 対談本『女に生まれてモヤってる!』(小学館)を上梓したコラムニストのジェーン・スーさんと脳科学者の中野信子さん。
ジェーン・スー/中野信子 『女に生まれてモヤってる!』(小学館)

ジェーン・スー/中野信子 『女に生まれてモヤってる!』(小学館)

「女らしさ」に絡め取られ、自分らしくいられないなら撤収してよし! と、背中を押してもらった前回に続いて、今回は人生相談。女性と結婚にまつわるよくある「モヤり」から脱出する術をおふたりからアドバイスいただきました!

アラフォー婚活難民からの相談

Case1<「結婚しなきゃ」と婚活を続けていますがうまくいかず、年ばかりとっていきます。ますます自信を失いながらも、相手に対するスペックを下げられずに、八方ふさがりです。(アラフォー婚活難民の女性)> 中野:40代ぐらいで経済的な基盤がしっかりしている女性だったら、スペックで男の人を選ぶというパラダイムが崩れちゃうと思うんです。結婚というスタイルに合わないライフスタイルを選択してしまった、ってことなのでは(パラダイム:ものの考え方や認識の枠組み)。 スー:自分に収入があっても、自分より稼いでいるとか「上方婚」(年収やステータスなどが自分より上の相手との結婚)を目指す女性っているけど、本当にそれ必要なの? なんで? と尋ねたい。 中野:収入が高くて安定しているなら、自分より収入が高い人と結婚する必要ってあります? シンプルに考えて、ないですよね。 スー:自分で稼いで暮らしてきた女性であれば、いろんな不具合や不都合を多少はお金で解決してきているはず。便利をお金で買う、自分のお金を好きなように使うということですよね。だけど自分より収入の良い人と結婚したら、そうはいかなくなる場合もあると思うんだけど。
ジェーン・スー/中野信子 『女に生まれてモヤってる!』(小学館)

ジェーン・スー氏

中野:イニシアチブを取られるっていうのは…… スー:いま、それを遠回りで言っていたのに。 中野:ぁああ。 スー:「イニシアチブを取られる」とか言うと、わがままに見えるんだよ。「女」という役割を担っていると! 中野:(笑)。「自分の人生を自分で決めてきたという自負のある女性にとっては」。 スー:それだ! きれいにまとまってきたぞ!

旅行や、おいしいご飯は友達と行けばいい

中野:他者がそこに介入してくる機会を与えるということでもあるわけで。そこまでして結婚はする価値のあるものなのか? という疑念が湧いてしまいます。 スー:本質的には収入の多寡(たか)ではなく、あなた自身がイニシアチブを取りたい人なのか、相手はどうなのかの問題だよね。自分の理想ほどは稼げていないからこそ、男の沽券(こけん)としてイニシアチブをとりたがる人というのもヤバいので。 中野:それは……!? スー:いないとは言えない。それは気をつかわなきゃいけないから大変だ。そこそこの年齢になって婚活に悩んでいるのなら、どういう相手と一緒にいるのが一番居心地がいいのか真剣に考えたほうがいいと思う。私にとって大切なのは、私の人生を邪魔しない人。なんでもかんでも合わせてくれるってことじゃなくて。合わせて欲しいと思うこともあったけど、どうしても合わないなら、旅行でも外食でも友達を誘えばいいんだと悟ったわ。 中野:本当にそれ! それな!! スー:私たちの世代、JRのフルムーンCMの刷り込みがすごいのよ、たぶん(フルムーンのCM=長年添い遂げた夫婦が、老後に旅行に行きましょうというもの)。  年をとったら、夫婦でいい旅行にって。それが正解だって。 中野:どんだけの時間、我慢してきたの? って思うよね。もし、幼い頃から「お嫁にいけなくなるわよ」という脅しを受け、結婚という呪いにかかり、「しなきゃいけない」と思っているのであれば、そんなものもう捨ててもいいと思います。

「誰かを見返したい」という気持ちは捨てて

スー:居心地の良い相手と一緒にいたほうが気持ちが落ち着くから、寄り添うように暮らしていきたい。だから結婚したいっていうんだったらいいと思うんだけど……。 中野:素敵だよね。 スー:そこそこ稼いでいて、社会的経験値も積んできたのに、「自分より年収やステータスが上の男性じゃなきゃ」とか、道場破りじゃないんだからさ。「たのもー」って言っても、誰も出てこないと思うよ。 中野:まさに、道場破りだよね。何と戦ってるの!! スー:「この看板はもらった!」みたいなの目指してるわけじゃないだろうに。  どこの道場も相手にしてくれないと嘆くんじゃなくて、少し落ち着いて、自分で道場でもお教室でも開けばいい。だってもう、誰かに習う必要ないんだもの。 中野:もしかしたら、「誰かを見返したい」みたいな気持ちがあって結婚したいのかもしれないんだよね。でも、それはそれで、見返す材料のために誰か人の人生を使うっていう発想がちょっとズレていると思うんですね。結婚って相手がいて、その人の意思も自分の意思と同等に尊重されるべきものだから。 スー:反省します。私も「顔のない世間みたいなものを見返さなきゃ!」って思いが30代半ばまではあったから。だけど、いま思うと本当に品がなかった。人の人生をなんだと思っていたんだと。当時の相手に菓子折りを持って謝りに行きたい感じではあります。
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誰かにとっての幸せは、自分とは違う
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