Lifestyle

「自分よりハイスペックな男」を探す婚活はやめたほうがいい/ジェーン・スー×中野信子

上なのは年齢だけ。それでも楽しい

中野:もしも見返したいのであれば、もっとコストパフォーマンスがいい、一人で十分やりこなせる方法が必ずあるので、それを考えたほうがずっといいでしょう。
ジェーン・スー/中野信子 『女に生まれてモヤってる!』(小学館)

中野信子氏

スー:いまのパートナーとは、結構ケンカもするんです。でも、絶対に仲直りしようという前提あってのケンカ。それまではずっと、「ケンカをしないのがお似合いのふたり、いつでも穏やかなのがいちばん」って、思いこんでいたんですけど。 中野:スーさんのところ、楽しそうだものね。 スー:楽しいよ。うちは家事が彼担当で給料制なんですけど、彼は家事をゲーム的にとらえていて、やりくりに命をかけてるんですね。グラム100円以上の豚肉は買わないぜ! みたいな。 中野:そういうライフハックなんだね。 スー:「頼むから、もう少しいい肉を食わせてくれ」と思う時も正直ある(笑)。だけど、おおむね楽しい。上方婚を目指す女性にしてみたら、こうした状態を「幸せ」だとは思わないでしょうし、彼女たちの基準では、私は「負け組」でしょう。

一緒にいて楽しい人は、意外なところにいるかもしれない

中野:うちもですね。夫の「私学の准教授」という立場をどう捉えるかによりますけど、収入は私のほうが高くなってしまう。結婚したときは彼は非常勤講師でかなり経済的には苦しかったですし、上方婚ともし仮にいうのであれば、確実に上だといえるのは年齢だけですね。 スー:一緒にいて楽しい人って、自分が思い込んでいる理想とは全然、違うこともあるんだよね。だから、自分にいちばん必要なものは何かは、いろんな人とつきあって考えるという手もある。マッチングアプリで片っ端からいろんなジャンルの人とデートしてみるとか。 中野:面が割れてなかったら、私も婚活して、片っ端からデートして観察してみたい(笑)。 スー:割れてるよ。「ホンマでっか?」って言われるよ。 中野:言われるわー(笑)。「ホンマでっか、また来てるよ」って言われるわー。 スー:私はホント、想像していたのとはまったく違うタイプで、「こんなところにジャックポットが!」って感じでした。 中野:うちは、ほのぼのしてるなあ。全然、ケンカがなくて。私が「洗濯物をなんで洗濯機の中にいれたまま、一晩放置するの!」って怒ると、「もう一回洗うね」って言ってくれるような。どんなに私がキレても穏やかにいなしちゃう。男の人はキレるものだと思っていたので新しい経験でしたし、彼の性格のおかげで守られていますね。気持ちが楽ですね。
ジェーン・スー/中野信子 『女に生まれてモヤってる!』(小学館)

ジェーン・スー氏(左)、中野信子氏(右)

________  次回、女性と結婚にまつわるよくある「モヤり」相談の続きは、近日公開です。 【ジェーン・スー】 1973年、東京生まれ。作詞家・コラムニスト・ラジオパーソナリティ(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』など)。著書に第31回講談社エッセイ賞を受賞の『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎文庫)や、『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ文庫)、『私がオバさんになったよ』(幻冬舎)など多数。 【中野信子】 1975年、東京生まれ。脳科学者・医学博士・認知科学者。東京大学工学部を卒業後、東京大学大学院医学系博士課程を修了。2008年からフランス国立研究所に博士研究員として2年間勤務した後、帰国。現在は、東日本国際大学教授。著書に『脳内麻薬』(幻冬舎新書)『サイコパス』(文春新書)、『キレる!』(小学館新書)など。また、テレビコメンテーターとしても活躍中。 <文/鈴木靖子、写真/渡辺秀之>
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ